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2018/09/02

D vs J フレーム・サイズ対決

2017年の焼き直し記事です(一部写真を除く)。

コルトのDフレームとS&WのJフレームを比較します。
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(本日新たに撮影)こうして見ると、装弾数の違いからくるシリンダー径の違い、およびフレーム高さの違いは除外したとしても、機関部前後長が若干コルトは大きいですね。僅かな差ですが、これはコルトが一般的な平均であり、Jフレームはそれらよりよりコンパクトであると言うべきでしょう。「とにかく小さくするんだ!」と言うS&Wの意地が垣間見えます。


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↑撃ち味に影響するグリップ(フレーム)後端からトリガーまでの距離は、Dフレームが62.4㎜です。


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↑Jフレームでは60.7㎜でした。Dフレームよりやや短いですが、違いを実感する程ではありません。感覚的には同じと言って良いです。


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↑S&WのKフレームは70㎜で、やはり一クラス大きく、実感としても「大きい」と感じます。つまり、Dフレームは握ってトリガーに指を掛けた時のサイズ感が、Kフレームよりも明らかに小さく、Jフレームと同等と言うわけ。


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↑では注目のシリンダー直径の比較。


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↑Jフレームは33㎜ Dフレームは35.5㎜ Kフレームは36.5㎜でした。Jフレームが小さいのは言うまでもなく装弾数を一発削った結果です。KフレームがDフレームよりも1㎜大きいのは、必要最低限+の強度を得るためです。つまり、Dフレームは強度を削ってKフレームより1㎜スリムにし、Jフレームは装弾数1発を犠牲にして、Dフレームより2.5㎜スリムにしたわけです。

さあ!JとD、どちらが合理的判断か?難しい所です・・・個人的には、2.5㎜の代償に一発を失うのは辛いですね。それでなくてもオートマチックより乏しい装弾数のリボルバーで、更にマイナス一発は大きい。とは言え、リボルバーは基本的にオートマチックより分厚いですからね。「一発減らしても薄く!」と考えたS&Wのコンセプトは十分理解できます。実際、私服警官にJフレームは愛用されています。この辺は使う側の考え方次第でしょう。

ここで、「コンパクト・オートならチーフより薄くて6連発以上じゃん・・・」とか言わないように。そう言う空気読まない厨は、社会に出てから苦労しますよ。この場は話を合わせておき、銃砲店ではDAOコンパクト・オートの契約書にサインすればいいんですwww


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↑銃全体を上から見て比較しました。大差無い感じですが、しかし(両者2インチ・バレルとして)ジーンズの尻ポケットに捩じ込んだ時には、結構な差とも感じます。う~ん、どっちかなぁ~・・・?

間違いなく言える事は、4インチ・バレルなら絶対にDフレームが適切なサイズと言えます。Jフレームは、2インチ・バレルがあってこそ、一発減らしてまで薄くしたメリットが活かせるわけですから。つまり、隠し持つ必要が無ければJフレームを選ぶ理由は激減します。

そんなJフレームをコピーして制服警官や機動隊員に持たせている日本の警察はバk・・・ 嫌、これ以上言うまいwww


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↑以前のブログで、「Dフレームは、KフレームとJフレームの中間的サイズ」と言った内容の事を記しましたが、実際に比較すると、Kとは大きな差があり、限りなくJ寄りな事に気付いたので考えを改めました。こうしてホルスターに入れてみると、その違いが分かります。

ファイア・パワーを減らさず、中型サイズ(S&WならM10、コルトならオフィシャル・ポリス)を極限までシェイプしたDフレームには、Jフレームに勝るとも劣らないメリットがあります。どちらを選ぶかは、攻撃性をとるか、コンシール性をとるか、考え方次第でしょう。


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(本日新たに撮影)ニギニギした感じは両者互角ですが、グリップが大きく丸みを帯びたDフレームのラウンドバットが私的に好みですね。チーフは(グリップ・アダプターを付けたとしても)小さく細過ぎるけど、コンシール性を考えれば有利。一長一短ですね。


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↑戦い終わっておやつターイム!日本のスナック菓子は、海外進出に力を入れているのですね。最近は、そこら辺のセブンイレブンにも売っています。値段も他の製品と同等で、今までのように「日本製は良いけど高いからな・・・」と敬遠される事もないでしょう。「高くても良い物をつくれば、お客様は納得してくれる」と言うのは、今のところ日本と世界の一部富裕層にしか通用しないでしょうね。それ以外の巨大な購買層(世界的中間層)に売り込むには、値段の安さ(他と同等)は最優先事項です。恐らく、皆さんが想像しているよりも世界の人は裕福ではありません。白人の観光客って、財布のひもが固いでしょ?あれが普通なんです(笑)。

君野ミライちゃんもそう申しております。(嘘ですw)





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2018/08/23

コルト S&W DAリボルバー考察(その2)

2017年の焼き直し記事です。

コルト対S&W シリンダー比較!
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↑左はM586で39.5㎜右は旧トルーパー(パイソンと共通)で39.2㎜でした。

ここで先ず注意すべき点は、LフレームのM586は旧トルーパーやパイソンよりもずっと後発であり(旧トルーパーは50年代、M586は80年代)、時代的に比較すべきはKフレームで357マグナムを撃つM19等となります。結論を先に述べると、KフレームはコルトのIフレームよりも小柄で、357マグナムを撃つには華奢過ぎました。熱処理などの改善では完全に対応し切れず、サイズを一回り大きくしたLフレーム(コルトIフレームと同等)が80年代に誕生したわけです。

現在でもKフレームの357マグナムは存在し、更なる材質改善で問題は減少していますが、ホットロード等への対応も考えるとLフレームが妥当と私は考えます。旧サイトでも過激に申しましたが、当時のM19は357マグナムを発射する銃としては不完全な”欠陥銃”であると私は考えます。

いきなりの結論ですが、当時の357マグナム・リボルバーとしては、コルト旧トルーパー(パイソン)対M19では、コルトの勝利です(初勝利?www)。ではM27やM28などのNフレームではどうか?耐久性あり過ぎのデカ過ぎとなり、これも敗北です。ジョーダン提案のM19に執着し過ぎて、357マグナムに最適なフレーム・サイズを開発しなかったのはS&Wの失策と思いますね。80年代にLフレームが開発されるまでに、357マグナム専用の強化版Kフレームが開発されていればな~・・・と個人的に思います。

では、どの辺が弱点なのか?改良すべきは何だったのか?について”ねほりんぱほりん”します。


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↑左から、コルト旧トルーパー、M586、そして38スペシャルのマスターピースです。M19は持っていないのでマスターピースで代用します(長さ以外は略同じサイズ)。

コルトは前面ぼ外側が面取りしてあるので肉薄に見えますが、M586と殆ど同じです。こうして比較すると、やはりKフレーム・シリンダーは小径である事がわかります。肉厚も薄いですが、実は本当の問題はソコではないのです(後述)。


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↑ヨーク(クレーン)を刺しての比較。クレーンの前後幅はコルトが分厚く頼もしいですが、これは強度にあまり関係ありません(笑)。でも、見た目はカッコいいですよね。パイソンが頼もしく見えるのは、このアメ車のように大型のクレーンが貢献していると思います。

・・・って、話が脱線しましたが、この写真にKフレームの弱点が既に現れています。分かるかな?


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↑左はM586、右はマスタピースです。矢印部分の幅が違うでしょ?両サイドや外側の肉厚なんかよりも、ここが重要なのですよ。矢印間の距離はシリンダーの中心軸と、銃軸(ボア・ライン)までの距離も意味します。つまり、Kフレームはシリンダーの中心軸と銃軸(ボア・ライン)が、IフレームやLフレームよりも近接している事になります。

・・・するとどうなるか↓


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↑ヨークのセンター軸と銃軸が近過ぎる為、矢印部分を削る必要が発生します。M19の場合、ここにクラックが発生する事例が多いのです。知人が銃砲店でガンスミスをしていますが、この部分が割れた廃バレルを沢山持っていました(笑)。確か、昔の月刊Gでもイ千ローNAGATAさんがレポートしてた筈です。(訂正補足→月刊Gのレポートはジャックさんで、1989年7月号との事です)

ただ、私的に考えるに、ここを削らなくとも改良は可能だったと思うんですよ。フレーム側のサイズまで拡大しなくとも、シリンダーのヨーク軸をサイズ・ダウンすれば済む話ですからね。ヨーク軸には然程のストレスは掛かりませんから、軸を縮小しても問題は起こらないと思います。そうすれば、ヨークとシリンダーの改変だけで、矢印部分を削る必要は無くなると思うんですけどね・・・


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↑実際にヨークを差し込んでみると、バレル付け根下部を削る理由、そして先述した「ヨーク軸を細くすれば解決可能ではないか?」との私的持論についても分かると思います。

写真真ん中はLフレームですが、「これでもか!」ってくらい改良されていますね(笑)。バレル付け根もコルトより肉厚なくらいです。ぶっちゃけ、Lフレームはサイズ的にコルトIフレームのコピー・・・と言っても過言ではないかも。現在、コアなS&Wリボルバー・マニアはLフレームを微妙に嫌うフシがありますが、その辺の心情が理由かもしれません。私的には、そんな思い入れは一切ありませんから(コルト派だしw)、LフレームこそS&Wのベスト・357マグナム・フレームだと思いますけどね。7連発も可能ですし。惜しむらくは、登場が遅すぎた事ですね。


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↑バレル端の肉厚測定。コルトは約1.7㎜です。M586よりもやや薄いですが、突き出し量が少ないので、ここが割れる事は稀だと思います。フレーム・トップもM586より肉厚です(実用上、M586も十分ではあるが)。


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↑Kフレームは先の事情により(弱点部分は)約1.2㎜です。突き出し量はマグナムの場合、写真のマスターより少ないですが、コルトよりは多いのでヤバいです(実際、割れる例がある)。


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↑「改良するからにはコルトより強く!」と思ったかは分かりませんが、約1.8㎜とコルトより0.1㎜厚いです。突き出し量はありますが、これだけ肉厚なら大丈夫です。付着した猫毛も太鼓判を押しております。


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↑長さについてはM586の方があります。これについては一長一短で・・・↓


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↑ブレットのシーティングについては、長いM586の方が幅広く、重量弾をハンドロードする場合など有利です(パウダーの容積を減らさずに、重量弾を突き出せる)。しかし精度的な観点からは、ブレットが空走する区間が短いミニマム・サイズの方が有利です。これは357マグナムのシリンダーから38スペシャルを発射すると、精度が若干落ちるのと同じ理屈です(僅かな差ではあるが)。

さて、今回でコルト旧DAとS&Wの対決勝負はひとまず終了とします。

ダブル・アクションを比較した場合、これはもうどうしようもなくS&Wの圧勝です。コルトの場合、メイン・スプリングの弱さによる不発のリスクが高い点もマズイ。シングル・アクションについては両者キレは良く、プルの軽さはコルトですが、軽過ぎるとも言えます。

アキュラシーについては、一般論でパイソンのグルーピングの良さが語られるようですが、製造時期などによって個体差があるので、私は一概には言えないと思います。S&Wでも競技に使える高精度のバレルは存在します。

フレーム強度については、当時のKフレームと比較した場合、コルトの圧勝です。Lフレームで互角ですが、デビュー時期に開きがあるので、それも考慮するとコルトに分があります。ちなみにS&WのNフレームも、44マグナムに対しては不十分です(ホット・ロードでの限界点が低い)。S&Wのポリシーとして、ギリギリ最低限の強度で設計し、軽量スリムを重視しているのかもしれません。

そんな感じです。個人的には、S&Wの優秀性を再確認すると共に、それに反して益々コルト旧DAが好きになりましたね(笑)。


戦い終わって・・・両者仲良くシリンダー・ギャップ比較!
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↑一説では「パイソンのシリンダー・ギャップは多目」と言われていますが、このトルーパーの一個体としては、0.007と普通です。シリンダー・ギャップは、製造時に一丁づつ調整される場合が多いので個体差があり、一丁だけで全てに当て嵌めるのは乱暴です。

ちなみに、シクネス・ゲージで測定する場合、シリンダーは強く後ろに押し付け、前部の隙間を最大にしてゲージを差し込み、少し抵抗があるくらいが正確な数値となります。


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↑M586では0.009と多目です。しかし、この銃はかなりの弾数を発射しており、その辺も考慮する必要があります。これよりも数値が小さい個体もある筈です。でもまあ.009でも許容範囲内ですけどね。隙間が.007だろうと.009だろうと、噴き出すガスの勢いに、大した差はありません(危ないのは同じ)。

ところで、このギャップの大小が初速に影響するってのは考えすぎだと思います(許容範囲においての話)。マグナム・ハンドガン用の遅燃性パウダーであっても、ライフルよりも遥かに燃焼速度は速いので、こんなギャップなど殆ど影響を与えない内に加速します。38スペシャルや45ACPなどの速燃性パウダーを使う弾薬では一切影響なしで、これは以前M1917とM1911で比較検証した結果、ギャップによるガス漏れの影響は皆無。それどころかリボルバーが勝る場合もありました(個体差が出ないよう、数種の1911で検証)。

それとは別に、マグナム・ハンドガン用の遅燃性パウダーを使ったマグナム弾の場合、バレルの長短は初速に大きく影響しますね。例えば6インチと2インチでは初速が大きく変化します(勿論、短い方が遅い)。3インチ未満では、マグナム用のパウダーでは不完全燃焼するのです。マグナム弾は6インチ~8インチの長いバレルでじっくりコトコト燃焼させて加速させる方が有利。


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↑参考までに、コルトM1917リボルバーではM586と同じ0.009でした。ちょっと広めですが、前述のとおり、速燃性パウダーを用いる45ACPでは全く問題ありません。


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↑S&WのM1917では0.008と、まあ、だいたいこんなモンですよ。


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↑ではちょっと毛色を変えて、イギリスのウェブリー38では・・・ゼロが一個少ないwww!0.017(0.432㎜)と驚愕の隙間でした!低圧・低威力で、速燃性パウダーを使う弾薬なので問題ないのです。マグナムがこの隙間だったらヤバいでしょうね(笑)。


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↑ちなみに、ウェブリーは(エンフィールドなども)シリンダーの回転方向のガタも凄まじいです。4㎜くらい余裕でガタつきますwwwまあ、シリンダーとフォーシング・コーンのアライメントは、進行するブレットによってセルフ・アジャストされるわけで、これでも問題ないのでしょう(実際普通に撃てるし)。それにしても大胆ですね。これがジョンブル魂!


おまけ!2017年4月1日の日記より・・・
久々のガンスミス作業 スミ―パ―&トルッソン !
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↑以前、S&Wターゲット・マスターピースのバレルを入れ替えてコンバット・マスターピース化しましたが、同じ要領でトルーパーにS&W-M586のバレルを入れてみました。スマイソンならぬ・・・スミーパーです!

・・・悪いトコ取りやんけ。
・・・てゆか嘘ネタ丸出しやんけ。
しかもフォトショップの腕が落ちてる?(笑) 影入れすんのめんどくさくなっちゃった。


嘘ついでに、余り物を活用してみる
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↑トルッソン誕生!

・・・不細工ですねwww

やはり、この不愛想な大砲バレルは、コルトのアクションがあってこそ許されるわけです。とは言え、互いのメリットを良いトコ取りするコンセプトを考えた場合、こちらの組み合わせが正しい事になります。スムーズなアクションにタイト・ボアのバレル・・・

ですが、ここで僭越ながら私の個人的考えから意見させていただくと・・・

銃に対する慈愛に満ち溢れた私、たかひろですが(ブルパプ小銃嫌いも克服しつつある)、そんな私でも毛嫌いする銃が少数存在します。その一つがスマイソン(スモルト)なのです。あれはいけない。あれだけは許せんよ。コルトとS&W、両方に対する冒涜です。

「良いトコ取りだぜ~!あはは!」って感じの軽薄なノリで、チョップ&スワップしたのでしょうが、残されて戸惑うバレルやフレームの気持ちを考えた事がありますか!?追いかけて焦がれて泣き狂いますよ。(←みゆき?)

「ニコイチではなく、パーツから作ってんだから問題ない!」などの言い訳は通じません。設計製造する者に対する侮辱だと申しているんです!天国のサミュエルやスミスも激怒する事でしょうよ。(←ウェッソンをハブるなw) あんなフランケン・ガンを作って金儲けしたガンスミスは地獄に落ちるべきです。ぷんすか!

以上であります。

つーかまあ、そんな侮辱を受けるようなアクションを放置したコルトもコルトですけどね。(←批判の矛先が変わった?www) せめてマークⅢがもう少しマシなデザインだったら、後の評価も変わっただろうに。トランスファー・バーは良いとして、トリガーのリターンSPに髭バネは無ぇだろうよ。あの手のねじりバネ(トーション・コイル)が、必ずしも折れ易いとは限りませんが(折れる例はある)、何より見た目がチープなので、高額商品としてはマイナス・イメージでしょうね。

現在、マークⅢリボルバーを探しているのですが、実は十数年前に一度所有していました(後期型ローマン)。トリガーSPは折れませんでしたが、ハンマー・スパーがチェッカリング部分からポッキリ折れましたね。焼き入れが過ぎたのだと思います。DAトリガー・プルも安っぽい感じでした。トリガーのトラベルに対して、ハンマーの動きが多いんですよ。「ビョーーン・バチン!」って感じ。S&Wの場合、「スーッ・バチン」なんですよ(分かり難い?)。そのマークⅢは金欠時に売ってしまったのですが、こうして再び欲しています。何か、コルトのDAリボルバーには中毒性のある魅力(?)を感じますね。手放しても禁断症状が発生します(笑)

2018年現在の声:マークⅢを2丁買っちゃったぜ~!初期型ローマン2インチは未だ探し中!






2018/08/19

コルト S&W DAリボルバー考察

2017年の焼き直し記事です。

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↑写真はお馴染みのS&Wですが、今回はDAリボルバーのシリンダー開閉における安全対策について、コルトと比較してみます。

●コルト、S&Wに共通の基本事項
①ハンマーがコックされた状態では、シリンダーをスイングアウトできない。
②シリンダーがスイングアウトされた状態ではハンマーがコックできない(S&W)、ハンマーはコックできるがシリンダーが閉じない(コルト)。

●コルトでは殆ど、S&Wでは反動の強い銃に限り、
①トリガーを引き切った状態(つまり発射の瞬間)では、シリンダーがスイングアウトしない。

・・・ってな感じかな?最初の2つは、ハンマーをコックしたセンシティブな状況でシリンダーを閉じると、そのショックによってハンマーがスリップダウンする危険性が高いためです。

下のもう一つは、発射の衝撃や慣性でサムピースなどのパーツが勝手に動き、シリンダーが飛び出してしまうのを防ぐ為です。S&Wでは軽量モデルやリコイルの強いモデルに採用されます。

では以下に写真で詳しく説明します。


S&Wの場合
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↑S&Wの場合、シリンダーがスイングアウトした状態では、サムピースに連結されたボルトの後端(赤円)がハンマーの動きをブロックし、コックできなくなります。つまり、ハンマーをコックした状態でシリンダーを閉じる事はできません。


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↑ハンマーをコックした場合は、今度は逆にボルトの動きがブロックされて(円内)、シリンダーをスイングアウトできなくなります。


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↑では、トリガーを引き切った状態ではシリンダーがスイングアウトできない(飛び出さない)のは、どのような方法で行っているか?写真はトリガーを引いてハンマーが落ちる直前ですが、シリンダー・ハンド内側に飛び出したポッチ(矢印)に注目下さい。


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↑トリガーを引き切ってハンマーが落ちた状態です。矢印のポッチがボルトとフレーム間に入り、ボルトの前進をブロックしています。これによって、発射の衝撃や慣性でサムピース(+ボルト)が動き、シリンダーが勝手にスイングアウトされるのを防ぎます。


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↑S&Wのシリンダーは左回転のため、ハンドは右側にあります(矢印)。トリガーを引いていない状態では、フレーム内に引っ込んでいます。


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↑トリガーを引き切った、或いはハンマーをコックした状態。表面に飛び出した後、真っ直ぐ上昇し、シリンダー・ラチェットを回転させ、そのまま停止します。シリンダーを回転させる事はしますが、シリンダーのスイングアウトをブロックする事は、位置的に無理な事が分かります。なので先述した様々な機能で、ボルト(シリンダー・ラッチ)の動きを制御しているのです。


コルト(旧アクション)の場合
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↑コルトはシリンダーが右回りなのでハンドは左側にあります(矢印)。S&Wと同じく、トリガーを引かない状態では内部に引っ込んでいますので、シリンダーのスイングアウトを妨げません。


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↑トリガーを引き切った、或いはハンマーをコックした状態。これもS&Wと同じく、表面に飛び出した後、真っ直ぐ上昇し、シリンダー・ラチェットを回転させて、そのまま停止します。

ここでS&Wと異なるのは、シリンダーがスイングアウトした状態でもハンマーがコック出来る(トリガーも引ける)と言う点です。しかし、後述しますがシリンダーを収める(閉じる)事が出来ないので、結果的に「ハンマーをコックした状態でシリンダーを閉じる事はできない」となり、暴発の危険性は回避してます。

余談ですが、「パイソンはトリガーを引き切った時、シリンダーハンドがシリンダーに力を加えた状態にあり、シリンダーがガタつかないので精度が良い」などの話があるようですが・・・眉唾です(笑)。これについては、いずれコルト・リボルバーのカテゴリーで扱いたいと思います。


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↑逆側から見るとこんな感じ。ハンドが飛び出しているので、シリンダー・ラチェットがぶつかり、シリンダーを閉じる事はできません。

・・・と、そう思うでしょ?確かに、戦前のコルトはこの方法なのです。しかし、戦後のモデルは+α機能によって、シリンダー・ラッチもロックされるのです。写真のトルーパーやパイソンの場合、ハンマーをコックしたりトリガーを引き切った状態では、ラッチが動かないようになっています。貴殿のモデルガンには再現されているかな?


では、その機能を説明します。
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↑矢印はラッチに直結したラッチ・ピンで、写真は前進してシリンダーをロックした状態です(シリンダーは外してあるけど)。


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↑ラッチを引くと、ラッチ・ピンも後退してシリンダーのロックを解除します。ハンマーがコックされていない、或いはトリガーを引き切った状態でなければ、このようにラッチ・ピンは作動します。


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↑では、ハンマーをコック、或いはトリガーを引き切った状態では?

もうお分かりですね。ハンマー・ブロック(矢印)が降下して、ラッチ・ピンの後部をブロックします。これによって、ラッチを引く事ができなくなります。更に、先述したシリンダー・ハンドの飛び出しも加わって、シリンダーをスイングアウトする、もしくはスイングアウトしたシリンダーを閉じる事は出来ないのです。

全体的に見て、この辺はコルトの方がシンプルで合理的ではありますね。ですが、S&Wも複雑ながら確実な作動で信頼性は互角と言えます。前回のDA対決ではコルト旧アクションが惨敗でしたが(笑)、シリンダー開閉に関する安全性に於いては引き分けです。


オマケ
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↑以前取り上げた「メイン・スプリングのスペース問題」について、写真のリバウンド・レバーを「く」の字型に曲げれば、スペースが増大するのでは?と、考えるかもしれません。私も考えました。しかし、このレバーはハンマーとフレーム間に”つっかえ棒”のように挟まってリバウンドさせる役割があるので、A~B間が直線で結ばれる必要があるのです。単にレバーを曲げただけでは、作動に支障をきたす事になるでしょう。

モデルガンを弄った経験がある人なら分かると思いますが、コルトの旧アクションは少しでも手を加えてバランスを崩すと、途端に作動しなくなります(笑)。めちゃくちゃ神経質なメカニズムなのですよ。コルトがサジを投げてマークⅢに移行した気持ちがわかります。でも、本気で取り組めば、旧アクションでの問題解決も不可能じゃないと思いますけどね。


オマケ(その2) ポッチの秘密
S&Wのシリンダーハンドに打ち込まれた「ポッチ」については既に説明しましたが、「知らなかった」との声が多かったので今一度詳しく取り上げます。話では「月刊Gでは一度も取り上げられてない」って事だけど本当かな?まあ、所詮は雑誌ですからね。そんなコアな記事より、三流グラドルが股にM4挟んでる写真でも入れた方が売り上げは伸びるだろうし。うむ、それはそれで間違ってはいない(笑)。

話を戻し・・・S&Wの場合、サム・ピースを押し込んでシリンダーを開放しますが、それが発射反動に伴う慣性で押し込まれた状態になり、シリンダーが勝手にスイングアウトする事例が少数あります。なので、トリガーを引き切った状態ではサム・ピースをロックし、シリンダーが勝手に開放されないようにする必要が(一部機種では)あるのです。後述しますが、戦前のモデル1905にも既にポッチが存在する痕跡が見られます。恐らく、その事例が発生する恐れの強い銃、例えば軽量のマグナム・リボルバーなどはピン有りだと思います。

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↑シリンダー・ハンド背面に妙な膨らみがありますが(赤円)、この部分にピンが打ってあります。左はM586で、右はマスターピース(38スペシャル)です。マスターピースの物には、膨らみはあるけどピンは無い。つまり、重さのあるKフレーム4インチから38スペシャルを発射する反動では、慣性によってサムピースが動く危険性は薄く、必要ないと判断されたのでしょう。

このシリンダー・ハンドの膨らみは、戦前のモデル1905などにもあるのです。恐らく、当時の軽量スナブノーズ・モデルなどにもピンが打ち込まれていたのだと推察します。


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↑これはNフレームのM625(45ACP)で、ピン有りです。この銃はコンペティションに用いられる事が多いので、万一の対策として採用されたのかも。


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↑これは80年代に製造されたM36チーフズ・スペシャルで、これもピン有り。38スペシャルでも、Jフレームの軽量銃は鋭いリコイルがありますからね。最近のJフレームは357マグナムを撃てるのもありますから、それらも必須でしょうね。


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↑これは38スペシャルのマスターピース(アーリー・ハンドエジェクターの4スクリュー)で、ピン無しです。それにしても、ハンドの形状は同じなのだから、全てピン有りにした方がパーツ管理も簡単で合理的な気もしますけどね。ピン一本のコストを気にしたのか?

ちなみに、コルトの場合はシリンダー・ハンドが左側にあるので、このような仕掛けが無くとも、トリガーを引き切った状態ではシリンダーはスイングアウトしません。何より、(サムピースに該当する)ラッチを”手前に引いて開放”なので、これはリコイルに伴う慣性とは逆方向となり、根本的に問題は発生しない事になります。同じ理屈でルガーの押し込み式も必要ない事になりますが、念の為なのか、トリガーを引き切った状態でトランスファー・バーがシリンダー・ラッチをロックします。





2018/08/18

チキチキ! コルト対S&W ダブル・アクション対決!

2017年の焼き直し記事です。

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↑チキチキ! コルト対S&W ダブル・アクション対決ゥ~!ヒュー!ドンドン!パフパフ!
・・・まあ、勝負は見えてますけどね。一応やるよ。ちなみにコルトは旧ダブル・アクション(マークⅢ以降ではない)のトルーパー、S&WはM586ね。

以下の数値は私所有の個体で、尚且つアバウトなバネばかり測定なので目安として考えて下さい。ですが、「重い・軽い」の全体傾向は一般的大多数に該当します。つまり、「数値はアバウトだけど、全体にこのような傾向にある」って事です。


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↑コルト旧DAの引き初め。ここは軽いんですよ。2㎏弱でハンマーが動き出します。ここだけ印象に残って「噂されるほど重くない」と判断するのは早とちりです。


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↑トリガーを引くほどに重くなり、最終的に4㎏少々でリリースしました。バネの特性を考えれば極自然な事ですが、射撃する場合はハンマーが落ちる寸前の狙い込み時にテンションが頂点に達するので、トリガー・コントロールが困難です。一気に引き切る場合でも、「軽い→重い」の変化が急激なのでギクシャクした感じを受けます。


次はS&Wです!
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↑S&Wの引き初め。いきなり4㎏の力を掛けないと動き出しません。


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↑しかし、最初の4㎏が最後まで一定してハンマーが落ちます。最初に「グッ」と力を入れる必要はありますが、そのまま最後まで引き切れるので、ハンマーが落ちる寸前の狙い込み時に余裕が出来てコントロールし易いです。一気に引き切る場合も、最初と最後の重さが同じだと、後半では「スーッ」と軽くなるような錯覚を受け、結果的に極めてスムーズに引き切れます。

「でも、結果的に数値は4㎏で同じじゃないか!感じ方の違いは個人差でしょ」

・・・と、健気にコルト擁護する人の気持ちを尊重したいのは山々ですが・・・では今からトドメを刺します。


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↑ハンマーに与えられるメイン・スプリングのテンションですが、コルトは引き初めからリリースまで2ポンド(907ℊ)です。(コルトに限らず、ハンマーのテンションが終始一定なメカニズムは、当ブログ常連さんならご承知と思います)。

この907ℊと言うテンションは、プライマーを発火させる最低限の打撃力です。例えばCCIのマグナム用プライマー(マグナム用はスタンダードより硬く、更にCCIブランドは全体に硬め)では不発を起こす確率が上がると思います。通常はそのような弾薬にも対応するため、余裕のある強めのテンションを与えるのが常です。


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↑S&Wのテンションは3ポンド(1360ℊ)です。前述した「余裕のある強めのテンションを与えるのが常」の結果が、この数値だと。つまり、本日最初に行った両者のトリガー・プル(数値)は公平な比較とは言えないわけです。フィーリングの点を考慮しなかったとしても、コルトの反則負けですwww


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↑では、S&Wのメイン・スプリング・テンションをコルトと同じ2ポンドまで下げて再勝負です。ちなみに、S&Wのメイン・スプリングはストレイン・スクリュー(写真)によって強弱を調整できますが、基本的に一杯に締め込んだ状態がデフォルトです。緩めるとトリガーは軽くなりますが、打撃力低下は不発に繋がるので自己責任です。


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↑引き初めから引き終わりまで3.6㎏に落ちました。最初に説明した「一定のトリガー・プルによる引き易さ」も加えると、コルトとは比べ物にならない軽快なトリガーになりました。

そんなわけで・・・S&Wの圧勝です。コルトが可哀想なくらい圧勝です。パイソン・ファンの銃雑誌ライターが反論記事を書くんじゃないかと不安になるくらいの圧勝ですwww


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↑S&Wに限らず、多くの銃のメイン・スプリングは余裕を持った作用範囲でスプリングを設定します。つまり、プリ・ロード(予め掛けるテンション)を十分にとり、ハンマーがフル・コックになってもスプリングは完全に圧縮され切ったりはしません。写真をご覧の通り、スプリングの動きが緩やかで、フル・コック状態(写真右)でもスプリングには未だ余裕があります。


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↑翻り、コルトでは・・・(←もうやめて!とっくにコルトのライフはゼロよ!!)

矢印部分にはフレームがあるので、強度上スペースはここまでです。そして写真右側ではスプリングが一杯まで圧縮されています。上のS&Wの写真と比較して、余裕の違いは一目瞭然です。改良は不可能では無いと思いますが、「やらなかった」だけでしょう。マークⅢへの移行でもS&Wの良い点は取り入れず、上回る事はおろか、並ぶ事すらできませんでした。挙句の果てに、リブ付きの派手なバレルをネジ込んだ”虚飾の迷銃”となって終了です。最近、性懲りもなく復活したようですが、私は個人的に何一つ期待しておりません。

ああ、スッキリした!こんな私が言うのもナンですが、S&WよりコルトDAの方が好きです。欠点だらけなので、サディスティックにならないとやってられんのですよ。


コルトのリベンジ?シングル・アクション対決!
ダブル・アクション対決ではボロ負けだったコルト旧ダブル・アクションですが、ではSA(シングル・アクション)ではどうか?パイソンなどは、「SAではS&Wに勝る」などと言われているようですが、本当なのか?それとも、またフルボッコに虐められてしまうのか?嫌、別に私は虐めていませんけどね。虐めてるかな?虐めたくなるんですよねwww
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↑先ずは思わせぶりにM586から測定。勿論、ストレイン・スクリューは目一杯締め込んであります。写真はハンマーが落ちた時点の目盛りで、結果は3-7/8ポンド(約1758ℊ)でした。まあ、S&Wリボルバーとしては極一般的な数値です。キレの良さは競技用として通用するくらいシャープで、ズルズルした感じは一切ありません。この辺は一般的なオートマチックのトリガーより優れていますね。1911のレースガンなどでも、ここまでキレを良くするには高度なチューンナップを要します。


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↑この銃は一見コンバット・マスターピースですが、元はターゲット・マスターピースで、CP(センターファイア・ピストル)競技に使っていた物です。なのでトリガーチューンを施しています。結果は2ポンド(約907ℊ)!・・・ってルール違反じゃん(ルールでは3ポンド→1360ℊ以上)!


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↑では注目のコルト!

ギャー!何と1-3/4ポンド(約794ℊ)!驚異的な軽さで、キレもS&Wと同じくらいシャープです。見た感じ、特に人の手が入った(チューンされた)様子はないのでノーマルと思います。以前、オフィサーズ・モデルを持っていましたが、それも同じくらい軽かったです。当サイト武器庫のM1917では3ポンドでした。全体的に見て、コルト旧アクションのSAプルは軽めと言えます。

おっと!ここでS&W勢から物言いが付きました!「コルトはメイン・スプリングが弱いのでフェアな勝負じゃない!」確かにその通りです。なのでM586のストレイン・スクリューを緩めて同じテンションにして再測定したところ、2.5ポンドでした。軽くはなりましたがコルトには及ばず。ですが、コルトでのトリガープルの軽さはメイン・スプリングの弱さが一因である事は確かです。

更にS&Wからの執拗な物言い!「数値での敗北は認めるが、2ポンド以下のプルは実用銃として現実的じゃない!」・・・なるほど。確かに2ポンド以下ってのは、一般拳銃としては少し危険なレベルです。競技用並ですからね。命中率は上がるでしょうが、取り扱いには注意が必要です。

また、S&Wの場合はストレイン・スクリューによってトリガー・プルをある程度調節できます。この辺が、ターゲット・マスターピースがCP競技に多く用いられる理由の一つでしょう。規定の1360ℊ付近での微調整が利くわけです。日本の警察や自衛隊でもCP競技用として使っており(今はもう現役を退いたのかな?)、国民体育大会で実物を見た人も多いでしょう。

審判の私としては考えるところですが、数値の勝負としてはコルトの勝ちです!

・・・だが、ちょっと待って欲しい。(←朝日新聞?)

良く考えたら・・・結果的に今回の数値(794ℊ)では競技銃失格だな。だってルール違反だもの(笑)。先述の通り、CP競技のルールでは1360ℊです。この銃がオフィサーズ・マッチの22LR仕様だったとして、SP(スタンダード及びスポーツ・ピストル)は1000ℊが下限ですからね。1000ℊ以下のプルが適合するのは、エア・ピストル(500ℊ)とフリー・ピストル(制限なし)だけです。

・・・これじゃあ軽過ぎだよ!「過ぎたるは及ばざるが如し」と言う事で、やっぱS&Wの勝ち!(まさかの逆転判決www)


まあ、最初から予想は出来ていましたが、そんな結果でした(SA対決はどんでん返しだったが)。老婆心ながら、同志コルトDAマニアにおかれましては、S&Wマニアとの真っ向勝負は避けるのが賢明。フルボッコにされんのがオチです。なのでエキセントリックな方向に誘導し、自分でも「?」と思う程の主観的理屈を豪語し、最後は相手を憐れむような目で見ながら「君にはわかるまい」と呟き、勝負そのものを空虚な感じに持って行って逃げるのがコツです。




2017/12/26

45オート・リム

過去日記で45オート・リムについて取り上げたところ、「現在のS&W M625でも使えるのだろうか?」と言うコメントがあり、「そう言えば一度も装填したこと無いな」と気づいたので挿入してみました(エロい意味じゃなく)。普通に考えれば装填出来る筈ですが、一応確認の意味で。

ちなみに、今回の件は記事のコメントによって思いついたネタです。質問に対する回答といった旨ではありませんので(単独質問は受け付けておりません)ご了承ください。

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ムーン・クリップ装填のリボルバーです。

左端がコルトM1917で、右端がS&W M1917です。この2丁と45オート・リムついて簡単に説明しますと、軍用に急造された両M1917リボルバーは、M1911オートマチックとの弾薬共通化のため、リムレスの45ACPを3発に纏めるクリップを用いました(クリップ無しでは原則使えない)。第一次大戦後、一部のM1917は民間い払い下げられましたが、市場での利便性から、新たにクリップ無しでも使えるリム付きの45オート・リム弾薬が開発されました・・・と言うのが粗筋。詳しくは私のキンドル本参照(笑)。


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手前が45オート・リムです。奥の右側はM1917開発時の(M1917本来の)ハーフムーン・クリップ(3発束)で、左は現在の射撃競技などで重宝されるフルムーン・クリップ(6発束)です。


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先ずは過去日記でも紹介した、45オート・リム弾をS&W M1917リボルバーに装填した図。


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続いてコルトM1917です。


↓さて、では問題のM625では?
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勿論、問題無い・・・筈なんですが、実はこの個体は私がIPSCの試合でより素早くフルムーン・クリップを装填するため、チャンバー入り口の面取りを行っており、リム付き弾薬でも若干奥に入りすぎてしまいます(笑)。まあ、これでもファイリング・ピンのリーチは届く範囲ですが、不発が出る恐れはあります。試合では45オート・リムなど使いませんし、言うまでもなく無改造のM625ならリムが奥に潜ることなどありません。


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エジェクターも面取りしてあるので危なっかしい(笑)。フルムーン・クリップ使用が前提のレースガンなのでご了承ください。余談ですが、この銃はメイン・スプリングもギリギリまで軽くしてあるので、プライマーはフェデラル限定です。フェデラル製のプライマーは柔らかいのでハンマーの打撃力がミニマムでも発火しますが、硬めのCCI製などでは不発しまくりです。


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さて、こちらは45ACPとは無関係ですが、ムーン・クリップ繋がりと言う事でS&W M327です。Nフレームを用いた、357マグナム8連発というエキサイティングなリボルバーですが、素早いクリップ装填という点では期待外れでした。


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ご覧のように、8連クリップは弾薬がフニャフニャに垂れてしまうので、素早くシリンダーに収めるのは(6連に比べて)困難です。45ACPはラウンドノーズFMJが基本ですが、357マグナムはポテンシャルを引き出すためにフラットなホローポイント弾頭を用いる事が多いので、その点も装填を難しくしています。

45ACPとフルムーン・クリップの組み合わせは、オートマチックのマグチェンジと同等の素早さでリロード(再装填)可能です。しかし変形しやすい薄いクリップに6発束ねるので、予備弾を常時携行するには、クリップ&弾薬を強固に保持する金属製のホルダーが必要になります。結論として、やはりフルムーン・クリップは競技用と考えるべきでしょうね。

以前、大阪府警の友人に「SATの突入用にお勧めのハンドガンは?(予算は少ない前提で)」と訊かれ、「予算が少ないなら手持ちのM1917にフルムーン・クリップを装備したら?」と答えたのですが(笑)、突入時のみ限定なら、常時携行に難があるフルムーン・クリップも十分アリだと思いますね。スナッブノーズ38スペシャル5連発のニューナンブよりは10倍マシでしょうw

余談ついでに、S&W M1917と現行のM625を比べた場合、例えば競技でのポテンシャルは然程違いません。M1917のサイトはミニマムで狙い難いですが、至近距離なら大差はつかないでしょう。アクションは旧式のロング・フォールですが、これも腕で十分カバーできます。安全性の面でM1917はハンマーブロックを装備しませんので、これは問題かな?でも、リバウンド・ブロックが破損する事は滅多に無いと思いますけどね。現代の安全基準ではNGです。


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クリスマス・ターイム!
ブログは日本時間のリアルタイムが表示されるので誤解が生じそうですが、ロサンゼルスでは今日現在がクリスマス(25日)なのです。「ゴルァ!」と荒ぶっていた昨日の日記は24日です。ジェットラグですね~!?

そんなわけでチキンを食いました。これは食べてもいいお肉です。「そーなのかー」