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2018/11/14

ズッポヌケのルーツを探る(更新)

更新(追記)しました!

既出記事ですが、P210を所有する方に情報提供を呼び掛けたところ、貴重な画像と証言を頂けたので、追記の形で更新します。ただ、今回再アップロードしたら、以前のコメント3件(私の返信含む)と拍手がリセットされてしまいました。コメントや拍手くださった方ごめんなさい~

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↑解説画像は自前のP210で行きたいところですが、残念ながらP210は既に私の手の届かないプレミア価格になってしまいました(20年前に1500ドルで買い逃したのが悔やまれる)。仕方ないので、ネットでパクった画像を加工して代用します。

さて本題です。一般には「CZ75が開発段階で参考にした銃はハイパワーである」と言われていますが、少しでもメカニズムに関心がある人が見れば、ハイパワーとは似ても似つかない事が分かると思います。特徴的なフレームとスライドのレール噛み合い、閉じたソラマメ型カム・スロット、シアー周辺をブロック化した点など、SIG P210(M49)の影響を受けている事は明らかで、ロッキング構造については「まんまコピー」と言って良いくらいです。メーカーは大人の事情で伏せているのかもしれませんが、マニアの目は誤魔化せません(笑)。

ここで気になるのが、バレルの後退停止をスライド・ストップ軸だけで受けるズッポヌケ構造は、P210も同じなのだろうか?と言う点。うろ覚えの記憶では(過去に友人が所有しており、射撃&分解掃除を何度か行った)、P210はスライド・ストップを抜いてもバレルはフレームと直に衝突したと思うのですが、何分昔の記憶なのでハッキリしません。

以前の記事を書いた時、P210を所有する方から「ちゃんとバレルとフレームが当たりますよ」と情報を頂いたりもしたのですが、裏を取るにはもう何件か証言が欲しいところです(疑うわけではないが)。もし所有する方が居られたら、是非ともバレルとフレームが衝突する部分の写真を送って頂けると嬉しいです。んで、ここに掲載する許可も下さい(笑)。


110518b.jpg
↑ないものねだりしても始まらないので、パクリ画像(改)で代用します。写真はP210のバレルですが、CZとソックリの形状です。注目すべきは、P210では矢印部分に段差が設けてある点です。ちなみに、私は自分のCZ85のバレルに溶接加工で段差を設けましたが、P210はそれよりも下方ですね。


110518c.jpg
↑フレーム側の画像ですが、この辺もCZとソックリです。注目すべきは矢印部分に内向きの段差を設けている点です。ここに、先程のバレルの段差が落ち込んで停止すると。つまり、CZのようにズッポヌケではないと思われます(パクリ画像の現時点では、強く断言できないw)。もしそうならば、バレルとフレームが衝突した時に、スライド・ストップ軸には負担が殆ど掛かっていない筈です。


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↑本で調べても、その辺の詳細は分からず。上から3番目はペッターが設計したSACM-M1935Aですが、これはブローニングの設計理念に基づいており(ちゃんと理解している)、バレルとフレームの衝突面は完璧です。その下、4番目のP210もペッターがデザインしているので、リンクからカムに変更したとはいえ、肝心な部分を忘れるとは思えません。

やはり、ペッターが設計したM1935A→P210まではバレルとフレームの衝突面を設けており、それを参考にした(と思われる)CZ75は何らかの理由で設けなかったと考えられます。ここで謎なのは、それは意図的に省いたのか?或いは「知らなかった」のか?もし前者なら、理由は何だったのでしょう?特別コストが掛かる難しい加工でもないですし、わざわざ強度を保つ重要個所を省く意図が分からない。

開発段階でCZがP210のロッキング部分を素直に踏襲していれば、75だろうが85だろうがクローンだろうが、スライドストップ軸が折れるトラブルなど最初から最後まで無かったでしょうに。たかひろ如きにダメ出しされる事も無く、トカゲの尻尾切りで85がハブられる事も(涙)。もしも、P210のロッキング部分を素直に踏襲したCZ75(85)と、従来通りのCZ75(85)が2丁あったら、(どちらもCZオリジナルで、バリューも同じとして)貴方はどちらを選びますか?信者の方々は意地でも後者を選ぶのかな?


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↑どうしてこうなったCZ!(AA略)。それにしても、P210カッコイイな!画像のP210は適当に縮尺したので、大きさは違うかもしれませんが、スリムで直線的で美しい!ロッキングも頑丈だ!(笑)


さて、ここまで調子よくペラ回しておいて、「実はP210もズッポヌケでした」なんて事になったら、死んだ親父に顔向けできないので(先々月、一周忌だった)、それをハッキリさせるためにも、P210を所有する方は是非私に2千ドルで売って・・・もとい、分解して確認してみて下さい。20年前に買っときゃよかったなぁ~・・・


―――――以下、更新記事―――――
では、今回頂いた画像をメール受信順に紹介します。ネットでも滅多に見られない貴重な画像ですよ~!

先ずはKさんから。
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↑スライドストップ軸付近はCZとソックリですが(CZが後発なのだが)、軸穴から後方の肉厚エリアが広く、私がパクリ画像で示した通り、内側に向けて出っ張りがあります。


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↑バレルを入れるとこんな感じ。それにしても、バレルの仕上げが丁寧で、目立つ切削痕など一つもありません。さすがはスイス製!


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↑写真上は閉鎖状態、下はティルトしたところで、バレルの段差とフレーム内側の出っ張りが見事に噛み合っています!つまり、CZのようなズッポヌケはしないと。私の記憶は間違っていませんでした!これで死んだ親父に顔向けできる!


続いては、Iさんに頂いた画像です。
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↑こちらもフレーム内側の出っ張りが鮮明に写っています。ついでに、SACM時代から続くトリガー・トレインの様子も良くわかりますね。ペッター・ピストルの香りがムンムンと伝わって来ます。


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↑これは前方から見た衝突部分の写真。ブルーが剥げて、衝突の強さを物語っております。衝突を受ける面積は十分で、以前チェックしたS&WのM59と同等ですね。こちらは鋼鉄フレームなので更に頑丈でしょう。


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↑私に代わって「恒例チェック」もやって頂きました。バレルを強くティルトさせても、スライドストップ軸に負担は掛かっていないとの事です。SACMでも同様でしたからね。ペッターをナメるんじゃねぇ!


さて、これでP210もSACM時代と同じ流れで、バレルとフレームの衝突ポイントは押さえていた事がハッキリしました。私が知る限り、この時代の1911を参考にした銃(9㎜パラ以上のクラス)で、バレルがズッポヌケる銃は見た事がありません。絶対無いと断言はできませんが、殆どはフレームと衝突するようにできています。それがブローニングの基本デザインであり、耐久性に優れ、尚且つ合理的だからです。

P210は素晴らしいですが、コスト低減とモダン化の波からP220に移行しました。P220もブローニングのティルトバレル・デザインを正しく踏襲した銃です。しかし値段は相変わらず強気だったので、米国向けの廉価版として(今や投げ売り)SPシリーズもデビューしました。デビューしたのですが・・・コレがズッポヌケなんですよ(笑)。ただ(SIGを擁護するわけではないが)、SPシリーズのスライドストップ軸が折れた話を私は聞いた事がありません。もし頻繁に折れるなら、これも欠陥認定ですけどね。私は平等だwww

私的に、ズッポヌケは間抜けなデザインとは思いますが、しかしそれで壊れないなら文句のつけようがありません(この辺は以前の記事でも申しましたが)。もしも、「当社の銃はスライド・ストップ軸を硬材クロスボルト並みに強化したので破損しません!」ってな能書きで、それが事実なら問題無いわけです。

しかし、CZは折れる話が広がりましたからね。火の無い所に煙は立ちません。私個人も何度か目にしていますし、当のメーカーが破損事例を認識し、1万6千発の使用限度(自称)に満たず破損する事例も認めています。ズッポヌケ・デザインで実際に壊れちまったら、これはもう欠陥認定せざるを得ません(笑)。

繰り返しになりますが、どうしてコウツキーはペッターの設計(ロッキング)を素直にコピーしなかったのでしょう?コウツキーは長物の設計経験は豊富でも、ピストルは少なく、ティルトバレル・ロッキングに関しては初だったのかも知れません。経験不足でノウハウが足りなかった事は十分考えられます。

今でこそ、1911デザインにおいて、バレルとフレームが直に衝突する事は「知ってて当たり前」なのですが、教えてもらわなければ気付きにくいポイントとも言えます。私も、渡米して1911のレースガンを作り始めてから初めて知った事です。皆さんはご存知でしたか?恐らく、知らなかった人が多いと思います。コウツキーも気付かなかったのかな~?


Iさん提供のオマケ画像(笑)
111418g.jpg
↑Iさんはブレンテンも持っているそうで、コレクターですな!写真を提供下さった持ち主の前で言うのもアレですが、P210に比べて軸周辺の肉厚の貧弱な事(矢印)!しかも、右側にはトーション・バネが入るスリットまで切ってある。これじゃあ割れても仕方ありませんよ。バレルのカム・スロットも肉が薄くてヤバい感じです。現在は超高価なコレクター・アイテムなので(パーツも無いでしょうし)、実射は厳禁ですね。


そんなわけで、今回画像を下さったKさん、Iさん、そして以前メールで情報を下さったAさん、どうもありがとうございました。P210を末永く大事にしてあげてください。私はP210とは縁が無さそうなので、とりあえず、信者にパージされた可哀想なCZ85を立派に調教したいと思います(笑)。




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