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2018/04/25

S&W M59 ファーストモデル (続き)

前回の続きです。

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↑なんか、ここまでバラすと「パーツ名を入れなきゃ・・・」と言う強迫観念に襲われるのですが、もう雑誌の仕事は無いので安心です(笑)。義務感が無いので、エキストラクターやハンマー・ストラットなどの分解もサボってます。ああ・・・このダラダラ感がたまらん。50歳過ぎたらダラダラやるのが吉ですね。


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↑初代M59の中でも更に若いシリアル番号に限って、フレーム赤線部分のくり抜きがありません。アルミ・フレームなので、くり抜かなくても十分軽いですけどね。あと、良く知られた事ですが、最初の100丁はグリップ・フレーム前部のセレーションが施されていません。僅か100丁と言う超激レア物なので、現在は一般市場には出回らないでしょうね。


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↑バレルをティルトさせるスリット(赤線)はアルミのままです。ワルサーP1(P38のアルミ・フレーム)などでは鋼材のインサートが入るんですが、これでも大丈夫と言う事でしょう。大量に発射した場合の耐久性には若干の不安があります。


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↑こちらはバレル側のスリットです。赤線部分で降下します。


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↑作動させるとこんな感じです。やっぱ、鉄とアルミが直接衝突するのは耐久力的に疑問ですが、公用での不具合は(バレルティルトに関して)聞いた事が無いので大丈夫なのでしょう。でも後継モデルでは改良されているんじゃないかな?


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↑前回も述べましたが、ファースト・モデルにはオートマチック・ファイアリングピン・セーフティ(或いはブロック)がありません。後継のM459では、赤円部分にファイアリングピン・ブロックが入ります。


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↑この辺は「まんまP38」です。ベレッタM92などはファイアリングピンが2分割化されて、軸と一緒にピンの一部が回転する独自性が盛り込まれていますが・・・あまり意味は無い気がするので(爆)、写真ので十分だと思います。


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↑セーフティを掛けるとハンマーが落ちますが、赤矢印部分を叩く事になり発射されません。ファイアリング・ピンはイナーシャ・タイプなので、その後にセーフティを解除してもファイアリング・ピンがプライマーに当たる事はありません。もしもファイアリング・ピン・ブロックが装備されていれば、その状態で限りなく安全に携行できます。


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↑ワルサーを参考にしたM59ですが、DAメカで大きく異なるのが、トリガー・バー(部品名ドロー・バー)が左右に分かれ、シアーとハンマーに接する部分で再び一つになっている点です。これによって、トリガー・バーの剛性を高め、トリガーからの力が逃げて「粘っこいトリガー・フィーリング」になる事を防いでいます。実際、M59(M39や後継モデルも含め)のDAトリガー・プルは、カチっとしたケジメある引き味です。


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↑もう一つP38と違うのは、ハンマーをコックする際に、ハンマーの下側をダイレクトに引っ張る感じで行う点です。そしてSAの場合は、別個のシアー(写真では写ってません。コルト1911に似たパーツ)を間に挟む点が異なります。


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↑これはP38ですが、トリガー・バーは片側だけで力の伝達を行うので、ピンやバーの「しなり」による力の逃げがあり、トリガーを引いてハンマーが動き出す間に、ネバっとしたタイムラグがあります。

ハンマーには可動式のハンマー・リフターが備わり、シアーが矢印部分を持ち上げる事でコックします。SAの場合は、シアーとハンマー下部のノッチがダイレクトに噛み合います。つまりM59とは逆であり、これはリボルバーのDAと同じ方式です。P38はリボルバーのDA・SA機構をそっくり移植し、シアーとトリガーとの間をトリガー・バーで繋げた構造である事がわかります。この点はモデルPPも同じであり、初代DAオートらしい構造と思います。オートマチックにDA機構を組み込む事で精一杯だったため、アイディアを一捻りする余裕が無かったのでしょう。


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↑ではベレッタはどうか?これはP38と同じ片持ち式のトリガー・バーでありながら、トリガー・バーがダイレクトにハンマー下部を引き起こすDA機構(赤矢印部分)と、SAでは別個のシアーを持つ点ではM59と同一です(この点は9㎜パラのM92も同じ)。

トリガー・バーが片持ち式である弱点は、各パーツの剛性を上げる事で、粘っこいトリガー・フィールになる事を防いでいます。実際、P38より格段にシャキっとしたDAプルです。ベレッタもS&Wも、P38を参考にした後発モデルと言う事で、それ以上の性能にしようとする工夫が伺われます。一流メーカーの銃がデッドコピーじゃあ格好悪いですからね。


では次に、M59のグリップが太い点について考察!(と言うほどの事でもないが)
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↑意外な事に、マガジンの幅は40S&WのスプリングフィールドXDから、32ACPのベレッタM81まで殆ど同じでした。


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↑私的に、ダブルカラム・マガジンの割には細くて握り易い(ハイパワーに近い感じ)XDのグリップ幅は、30.6㎜でした。ちなみに、1911(シングルカラム・マガジン)の幅は約34㎜なので、それより細い事になります。但し、これらは最大幅の数値であり、1911のグリップは丸みを帯びているので、外周を測った場合はXDの方が太い筈です。他にも、くびれやカーブのデザインで握った感じは異なります。グリップ・フィーリングは数値では表し難いですからね。以後の数値は、あくまでも参考までと言う事で・・・


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↑M59は34.5㎜!これは太い(笑)。ですが、グリップ・パネルを外すと25.8㎜で、XDより細くなりました。やはりアルミ・フレームにグリップ・パネルを張り付けている点がネックのようです。この点、フレームとグリップが一体のポリマー・フレームは断然有利ですね。


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↑ベレッタM81は何と35.1㎜!口径が一番小さい小型拳銃なのに一番グリップが太い!ですが、これはグリップを細くする意図が全く無い、分厚い木製グリップの為であり、細くしようと思えば可能です。掌の大きな白人には別に問題ないのでしょう。


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↑では、トリガーまでの位置(トリガー・リーチ)はどうか?XDはグリップ後部(グリップ・セーフティの部分)に大きなくびれがあり、丸みも帯びているので、65.4㎜と言う寸法以上にトリガーが近く感じます。

但し、XDのトリガーは基本的にSAなので(DAOのグロックに引き味は似ているが)、このトリガー・リーチを直接M59やベレッタと比較するのはフェアでありません。なので、以下はDAとSAの両方を測定します。


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↑M59はDAで73.6㎜、SAで64.1㎜となりました。SAではXDより短いですが、くびれや丸みが一切ない「角材のような」デザインなので、数値以上にトリガーが遠く引き難いですね。


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↑ベレッタはM59よりも数値が小さく、何より丸みを帯びてくびれもあるグリップなので、M59より遥かにトリガーが近く感じます。でもXDよりは遠いですね。ちなみにベレッタM92の場合(手元に無いので採寸できませんが)、このM81の握り心地から、くびれを取り去った感じです。M59より丸みがある分、握り易く、トリガーも近く感じます(大差ではないが)。


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↑というわけで、やはり初代M59は実寸の上でも実際に握った上でも、握り心地は最悪の部類です。ですが原因はハッキリしており、寸法よりも角ばったデザインに問題がある訳です。写真を見ての通り、バック・ストラップ(インサート)を外せばフレーム自体はかなり細いのが分かります。ここにミニマムのグリップを被せれば、改善は容易です。

はたして、後継モデル(3代目)ではインサートを廃し、メイン・スプリングの保持を兼ねた左右一体の丸みとくびれのあるワンピース・グリップを被せて、握り心地は大幅に良くなりました。めでたしめでたし・・・


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↑さて、M59の握り心地は改善可能ですが、これだけはどうしようもない点・・・それは銃軸線とグリップ間の距離(写真)です。しかしながら、これはM59だけの問題ではなく、全てのハンマー式DAオートに共通する弱点です。フレームの後部に回転式のハンマーと、それを駆動するストラットやメイン・スプリングを配置する必要がある為、どうしてもこの部分が太ってしまうのです。この点では、最近流行のストライカー式オートが有利です。フレーム後部にはシアーだけが収まれば済みますからね。

ただ、銃軸線とグリップ位置が近い点が、どれほど射撃フィールに有利かと言えば、個人的に然程の違いはないと考えます。銃軸線とグリップが近い場合、マズル・ジャンプは確かに抑え易いですが、リコイルはその分、ストレートに手首や腕を直撃します。実際、XDやグロックはそんな感じのリコイルで、好意的に表現すれば「マズル・ジャンプが少なく、シャープなリコイル」となり、悪意を持って表現すれば「ガツンと関節に響く不快なリコイル」と言えます。何れにせよ、扱う側の感じ方の問題であり、例えば連射タイムとスコアを厳密に比較すれば、大きな差にはならないでしょうね。

では、私は個人的にどっちを選ぶか?

う~ん・・・


・・・リボルバーかな。(←ふざけんな!)


2018年現在の声
最近話題のSIG P320ですが、これはストライカーなのに従来のハンマー式の名残がある、銃軸線の高いデザインですね。上でも述べましたが、何が何でもボアラインを低くする事を是としない。米軍もそう判断したのでしょうか?

話のついでに、P320のモジュラー式なるシステムは面白いですね。私は以前、トカレフTT33やSIG P210の着脱式の撃発機構を「頻繁に交換する物でもなし、然程の有用性は無い」と切り捨てましたが(笑)、P320の場合、撃発機構を銃登録としてフレームを交換式にするという発想の転換!これは脱帽ですね。そうすれば確かに自由度は大幅に高まりますし、経年劣化の恐れがあるポリマーフレームも定期的に交換できるわけです。ドロップテストで不具合が出たようですが、あの程度なら改善は容易でしょう。

致命的な問題は・・・不細工な点ですね。(個人の感想ですwww)


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2018/04/24

S&W M59 ファーストモデル

過去日記より焼き直し記事です。

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↑ガンショーで奇跡的に発掘したM59です。「奇跡の発掘」は決して大袈裟ではなく、全米オークションでもなければM59のファーストモデル(1971~1982年)など滅多にお目には掛かれないのです。一般にはあまり売れなかったモデルですからね。警察では結構な数が使われたようですが、多くは現役引退と同時に処分されたのだと思います。


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↑警察払下げの場合、アルミフレームの塗装がホルスターと擦れて剥げた物が多いですが、コイツは新品同様です。現在、このコンディションのファーストモデルを探すのは難しいですよ。真っ黒の初代M59と言えば、個人的にTVドラマ”スタスキー&ハッチ”のイメージが浮かびます。スタスキーは左利きで、銃を上から鷲掴みにするハンドリングが印象的でした。何話だったか忘れたけど、意識朦朧のスタスキーが、力なくグリップしたM59を連射するシーンが記憶に残っています(てゆか、そこしか覚えていないw)。ちなみに「ドック刑事」や「ト●ー門●」は個人的にNGワードです。(何でじゃ?www)

MGCのモデルガンが出た時は「絶対買う!」と意気込んでいたのですが、高校の射撃部でエア・ライフル射撃を始めたので、M59を買う為の小遣いは、中古のバウ300Sマッチ(←懐かしい)に化けたのです。


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↑昭和世代にとって、S&Wはリボルバーのイメージが強いので、これらの刻印がオートにあると違和感がありますね。フレームはアルミで、アルマイト処理(と思われるが、かなり被膜が厚い)艶ありブラックです。


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↑悪評の分厚いグリップ!確かに厚い!寸法的にはベレッタM92と然程変わらないのですが、丸みやクビレが無いので余計に太く感じるのです。後のモデルではバック・ストラップ(部品名インサート)を廃し、ワンピース・グリップとなって握り心地が向上しましたが、それだったら私的に要らない(笑)。初代の「ぶっといイチモツ」が好きなんです。


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↑構造はP38を参考にしただけあってセーフティも似ています。但し、ファイアリング・ピン・ブロックが無いんですよね(オートマチック・ファイアリングピン・セーフティは、1979年に登場した2ndモデルのM459から装備されます)。ファーストモデルは単なるイナーシャ式ピンで、ハンマーのリバウンドも無し。これはダサい!「無くても大丈夫」と判断したのかもしれませんが、これじゃあ「ワルサーの劣化コピー」と言われても仕方ない。トリガー・プルなどの全体の出来栄えは、ワルサーのDAよりも遥かに上等なので勿体ないですね。


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↑初代モデルのオリジナル・マガジン(左)も購入しました。別に予備マガジンが欲しかったわけではなく、カリフォルニアは装弾数10発規制があるので、規制前の10発以上入る中古銃や骨董品などはマガジン無しの状態で売られているのです(つまり買った銃にはマガジンが無い)。良心的な銃砲店では規制後の10発マガジンを付けてくれる場合もありますが、それにしてもまあ理不尽な話です。

写真右は、装弾数が規制される直前のパニック時(法施行の前夜12時まで銃砲店がオープンしており、ハイキャパシティ・マガジンが山積みで売られていたw)に、手当たり次第に買ったマガジンの一つです。今回M59を買ったので丁度良かったのですが、これはモデル5900シリーズからのバンパー付きです。初期との互換性はあるのですが、やっぱり本来あるべきバンパー無しが欲しい。そんなわけで、写真左のマガジンをイーベイで落札したと言うワケ。


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↑全米向けなので、勿論10連発仕様となっています(赤円)。

・・・その筈なんですが、届いた品物を確認すると、気のせいか14発入る感じです(笑)。え?どゆこと??普通はリべットや詰め物などで、10発しか入らないんですけどね。まあいいか、気のせいだな。疲れてるんだよ俺。


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↑バンパー以外は殆ど同じで、取り付け部分も共通。両者のフロアーを交換する事も可能です。どちらも純正で、S&Wのロゴや文字が入っています。新しい方にはマガジンキャッチのスリットが左右に切られているのですが、銃の方はアンビだったっけ?キャッチ入れ替えられるのかな?


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↑「・・・ところで、このグリップを見てくれ。こいつをどう思う?」



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↑ 「すごく・・・大きいです・・・」

・・・お約束ネタでスマン。


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↑ビアンキ#58です。M59(M39)専用なのでピッタリです。パドル・タイプですが、かなりシッカリとベルトに固定されるので不安なく抜けます。


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↑ロングセラーのビアンキX15です。これはミディアム・サイズで、オートならフルサイズ、リボルバーなら4インチが収まります。とりあえずサイズさえ合えば何でもホールドするので便利ですね。バーチカル・タイプはホリゾンタル・タイプに比べて若干抜き難いですが、スナップが外れて銃が落ちる心配が少ないので一長一短でしょうね。


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↑経済ニュース最前線ぬこ。「八重洲イブニングラボに行くんぬ。そしてとりきゅうべんとう食い(略)」