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2018/09/15

仄暗い水の底にあるポンプ交換

2017年の焼き直し記事です。

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↑GT750のウォーターポンプから水漏れが発生しました。ほんの少しなので無視しようかとも思いましたが、オイルと混ざってギアでも損傷したら大事なので交換しましょう!・・・などと当たり前の判断をしたところで、何せ旧車なのでパーツが問題です。交換したくとも新品パーツが無いので話にならないのが常です。


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↑しかし!スズキは結構パーツがあるんですよ!メーカーでは製造をしていませんが、イーベイでは様々なパーツが未だ流通しています。恐らく、ディーラーで大量にストックしたパーツが流れて来ているのかと。写真のポンプもイーベイで落札しましたが(即決168ドル)、何人かの売主が居り、各自ストックを幾つか持ち、値段も168~200ドルとリーズナブルです。他にもピストンやリングなどの大物から、細かい純正ネジなども出回っています。まあ、いずれは無くなってしまうでしょうから、金があれば買っておいたほうが良いです。

ちなみに、カワサキの旧車もファンが多いので中古やリプロなど豊富です。ヤマハの2ストは販売数が多いので、中古パーツが豊富です。最悪なのがホンダで、入手困難の極みです。最近ホンダでは需要の多い旧車パーツの再生産を始めたようですが、焼け石に水って感じじゃないかな?速攻でプレミア価格で転売されそう(笑)。


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↑後述しますが、ポンプのシール(外側のOリングではなく、内部のシャフトのシール)不良の場合、漏れた水がクランク・ケースに流れ込まないよう、ドレーンを通じて外部に排出されます。これはスズキ以外でも、殆どのウォーター・ポンプ(4輪含む)に共通です。このシールがダメになった場合、外側のパッキンやガスケットを換えても解決しません。GT750の場合、シャフト・シールだけの交換はできず(不可能ではないが)、アッセンブリー交換となるので高くつくのです。


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↑矢印が前述したドレーンです。穴は内部のホースを通じてポンプ横に繋がっており、シールから漏れてしまった水が排出されます。この部分からオイル混じりの水がポタポタ落ちていたら、「ハウジングのパッキン不良か?」などと希望的観測をせず、素直にポンプ交換する事をお勧めします。


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↑では交換開始!インペラーを留めているスナップリングを外し・・・(ここまでは誰でもできるが)


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↑やっぱりな・・・固着して簡単には抜けないんですよ。スライディング・ハンマーでもビクともしません。あまりガンガンやって、アルミのインペラーを割ってしまっては間抜けなので、無理せず中断。


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↑お約束のヒートガン。10分ほど当ててガンガンに熱します。


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↑取れました。


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↑本体のスナップ・リングを外し、いよいよポンプを抜きます。インペラーで手こずったので、かなりビビっています。取れるかな・・・


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↑シャフトにスナップリング(再利用しない棄てリング)を付けて滑り止めとし、パイプ用のバイス・グリップでガッチリ挾み、プライ・バーで両側(写真ではカメラを持っているので一方だけだが)をコジります。クランクケースを変形させないよう、支点に木片を挟んだ方が良いですが、とりあえず御機嫌伺いのつもりで軽くコジッたら・・・

何と、一発でスンナリ抜けました(ラッキー!)。恐らく、このバイクは新車の時からキチンと管理されていたのだと思います。放置されて水が干からびてしまったような個体の場合、アルミが腐食して固着し、恐ろしく苦労すると思います。歴代オーナー達に感謝!


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↑ズボっと抜けました。快感!


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↑パッと見は問題無さそうでしたが、シャフトがガタガタになっていました。このくらいダメージが無いと、168ドルも払った甲斐がありませんからね。


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↑休憩がてらにガスケットをゆっくり自作しましたのぜ。穴はパンチでゆっくり開けますのぜ。


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↑矢印が前述したドレーンです。シールから水が漏れた場合、ベアリングやクランクケースに溢れないよう、この穴からケース外に排出するわけ。ポンプの穴をケースの穴と合致させる必要があるので、凸凹で位置決めされます(円内)。この凸凹はポンプを入れる際に見えなくなってしまうので、マジックで下部までマーキング(線)を付けます。


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↑矢印がケース側の凸です。これが先のポンプの凹と合致するわけ。ポンプを入れる際に見えなくなってしまうので、マジックで印を付けておきます(赤三角)。


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↑シリコン潤滑剤をたっぷり塗って、ズッポリ挿入されました。スナップリングで固定して終了。インペラーも元通りに組みます。


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↑このネジは締め過ぎに注意。ネジ山を崩したら、場所が場所だけに大仕事となります。冒頭で「ドレーンから水漏れしたら、希望的観測をせずにポンプを交換・・・」と申しましたが、現実逃避してネジをギューギューに増し締めするなど厳禁です。泣きっ面に蜂となりかねません。


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↑新しいクーラントを入れ、圧力テスト(専用テスターにて)して終了。エキゾーストを外したついでに、ここから下回りのクリーンナップに突入します。最近買ったバイク・スタンド大活躍ですね。コレが無きゃ今回の作業はできませんでしたよ。






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2018/09/14

潮吹き女王 スズキGT750

2016年の大晦日に起きた騒動記事の焼き直しです。

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↑30日にガレージのバイクを総メンテナンスして、年越しに備える筈だったのですが・・・いつもは絶好調のGT750だけ、どうした事かウンともスンとも言わず。キャブのスローが詰まったかな?


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↑「じゃあ、チャッチャとキャブ掃除しますか」と、ここまではいつもの事だったのですが・・・

掛かんねぇ・・・自動車のバッテリーを繋いでセルをギュンギュン回しても「プスン」とも言わねぇ・・・ちなみに、前回掛けた時は絶好調だったのですよ。そしてエンジンを止め、3週間くらい経っただけです。

ここに至って(30日夜)、何か決定的なトラブルを抱えていると気付き、電気系統、点火系統(含・タイミング)、圧縮圧、全て調べましたが問題無し。にもかかわらず・・・ウンともスンとも言わねえ!

ナニコレ?わったふぁっくめーん!


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↑翌31日、このままでは原因不明のトラブルを抱えたまま年を越してしまう。それは嫌だ!意地でも原因を究明しなければ!もうなりふり構わず、メカニックのプライドを捨てて、スターティング・フルードを使用して(わざわざ買ってきた)強引にスタートするぞ!

しかし・・・「プスン」とも言わねぇ・・・マジっすか?どゆこと?

圧縮良し、点火(タイミングも)良し、燃料良し(スターティング・フルードまで使って)、なのに「プスン」とも言わない。何か不具合があったとしても、一度くらい火が着きますよね?どんなにセルを回しても、キックしても一度も火が着かないのですよ。新品プラグに換えてみたり、焼いたプラグを入れてみたり、コイルを換えてみたり、・・・でもダメです。参ったね~・・・いよいよギブアップなのか?このまま「明けましておめでとう」なのか?

さあ皆さん、原因が分かりますか?ヒントは「2ストの仕組み」です。












では答えです。

2ストは4ストと異なり、バルブによって機械的に混合気を制御していません(リード・バルブが存在する物もあるが、補助的な要素であり、役割的にも4ストのバルブとは異なる)。ピストン上昇時に生じるクランクケース内の負圧を利用して混合器を吸入し、一次圧縮を行った後、シリンダーに送り込みます。

つまりクランク・ケース内に異常があると、混合器はシリンダーに送り込まれなくなります。例えば、クラックが生じているとか(4ストの場合、オイルは漏れるがエンジンは一応掛かる)、オイル・シールが抜けているとか、或いは・・・

内部にオイルやガソリンが満ちているとか・・・

・・・それか?!



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↑ブシャー―――!!!

潮吹き女王かよwww

キャブ取り付け口に圧縮エアを送ると、クランク・ケース内から大量のガソリンが噴出!写真は一段落した後ですが、最初はリアル潮吹き女王のように(そんなの見た事無いけどw)ドバ―っと出ましたからね。年の瀬に凄いモン拝ませてもらったよ・・・


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↑3気筒を小一時間掛けてガソリン抜き。どのくらい出たのだろう?ボロ布も床もガソリンびたし。火気厳禁です!

実は、この原因について、一度は頭をよぎったのです。ですがプラグが濡れている様子もないので「違うだろうな」とスルーしたのです。ケース内にこれだけ溜まっていれば、クランクに掻き回されてシリンダーに上がって来そうなものですからね。しかし結果的にそれは無いんですね。セルやキックでクランクが回る程度では、内部のガソリンやオイルは暴れずに留まるわけです。

では何故、今回に限ってガソリンが流入していたのか?数日前から、燃料コックをプレ(フリー通過)にしたままだったのです。キャブがオーバーフローすればキャブから外に出る筈なのですが、何かの不具合でクランク・ケース側に行ったのでしょう。教訓として、燃料コックはプレ状態で長時間置かない。燃料コックの密閉性を良くチェックする。などが重要です。

こうして、クランク・ケース内を十分に乾かした後(クランク・ベアリングがドライになると焼き付くので、2スト・オイルを適量噴霧した)、全てを元通りに組んでクランキングすると・・・


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↑バイーン!

昨日今日と、どれだけクランキングしても「プスン」とも言わなかったのが嘘のように一発始動です。いや~・・・2ストって難しいね。4ストなら、タイミング・チェーンが2~3コマずれても火は入るんですけどね(調子悪いだけで)。構造が簡単な分、難しい部分もあるんだな~・・・勉強になりました。

こんな場合の為に、クランク・ケースの個室毎にドレーン・プラグがあると便利なのですけどね。スカベンジング機能はあっても、ドレーンはありませんよね。

と言うわけで、2ストを所有される同志!もしも、圧縮や点火や燃料が正常なのに始動不能に陥った場合、クランク・ケース内を疑って見て下さい。長期間保管する場合、燃料ホースは外した方が良いかもしれませんね。


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↑ああ良かった!モヤモヤしたまま年越しせずに済んだ!


2018年現在の声:このトラブルは再発したんですよね。話が前後してしまったのですが、このカテゴリー(2ストバイク)最初のページに記しています。結局、手動コックを新たに設けて、長期保管の際は元栓を締める事で解決しました。





2018/04/15

カワサキ・マッハⅢ レストア記 最終回

・・・今日は皆さんに悲しいお知らせがあります。(←朝礼の校長先生?)

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↑昨日まで絶好調で「思い立ったが吉日」と、マルホランド・デビューを目指して出発したカワサキH1マッハですが・・・「思い立ったが命日」になってしまいました。フリーウェイに乗って30分ほど走ると、突然カリカリと嫌な音を発しエンジンストール。即座にクラッチを切って、何とか追い越し車線から一気に路側帯へ。


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↑止まったのは写真の場所。非常電話も無いし、出口まで100m程だったので、バックで押し戻してフリーウェイを脱出。ショッピングモールの駐車場に落ち着きました。出口が近かったのと、下り坂だったのが幸い。


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↑工具を広げてはみたものの、キックが全く降りず、完全に焼き付いているので処置ナシです。とりあえずプラグを外してみると、1番に少し傷がある以外は異常なし。1番が軽く抱きついた程度かと考えました。でも何故?


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↑トリプルA(日本でのJAF)の会員証もあるのですが、近場だったので友人コール。

それにしても、マッハでマルホは2度目の屈辱なのです。20年ほど前、渡米して最初に買ったH1Bでマルホを目指し、真ん中のシリンダーが焼きついて断念したのです。まさか今回も同じになるとは(今回は1番シリンダーだけど)。呪いですかね。


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↑早速、原因を究明しましょう。焼き付いたと思われたシリンダー(写真)とピストンは異常なし。


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↑死後硬直?1番シリンダーのコンロッドが、直立したまま硬直しています。力を込めても全く動きません。焼き付いたのはコンロッドのビッグエンドたったのです。シリンダー交換くらいで済むかと思っていましたが、腰下を開ける最悪の事態となってしまいました。


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↑ケースを割ると、「きれいな顔してるだろ ウソみたいだろ 死んでるんだぜ。それで・・・」ってな感じで、焼き付いたエンジンとは思えない綺麗な中身です。


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↑立ち往生のホットロッド(笑)!手前のコンロッドがカチカチに固まって直立しています。オイル供給には問題なし。焼き付いたベアリング以外にも、6個のクランク・ベアリングの内、2個はゴロゴロしていました。シリンダーを外した状態でチェックした時には、全く気付きませんでしたね。

結論として、ビッグエンドのニードル・ベアリングの一本が寿命により損壊。その破片が他のニードルに噛み込み、一気に焼き付いたのだと思います。異音が出てからロックするまで、極短時間でしたからね。

さて、ではこのクランクをどうするか?2ストの分割クランクは、プレスで分解するのは容易ですが、アライメントとバランスを出して組み立てるのは、私のガレージ規模では難しいです。2気筒くらいなら、何とか組めそうですけどね~


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↑どうせなので、徹底的に綺麗にしましょう。


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↑スッキリ・サッパリ!ケースだけになるとエンジンも軽いですね。シフトフォークは磨耗も少なく良好でしたが、ドラムに固定するネジが緩み、ロック・タブによって抑えられている状態だったので、新たにロックタイト(赤)を塗って締め付けました(勿論、ロック・タブも併用)。


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↑中古クランクをゲット!焼き付いたクランクをリビルドしてくれるショップに出そうかとも考えましたが、値段の点で折り合わず断念。自分で行うのもリスクが多過ぎるので、程度の良い中古クランクをイーベイで探す事にしました。

時間が掛かるだろうと覚悟したのですが、数週間であっけなく発見。頑張って競り落としました。お値段は220ドル。値段的には相場ですが、そのまま使えるとは限りません。博打のつもりで落札しましたが、さて届いたクランクは・・・


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↑全てのベアリングはスムーズに回り、以前のようなゴロゴロ感のある物は一つもありませんでした。まあ、これも外側からだけの判断なので断言はできませんけどね。Vブロックに載せての振れテストはOKです。重量バランスについては、これも調べる術がありません。まあ、多分大丈夫でしょう!(←ぜんぜん懲りてないw)


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↑こんな機会にしか調べられないので、トランスミッションも入念にチェック。結果、ギアやドッグ・クラッチは欠けは勿論、当たり面の剥離なども見られませんでした。ベアリングも正常。ミッションは大丈夫ですね。クランクは、左右のシールとOリングは新品に交換。


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↑キックスターターの取り付けに注意!ケースを上下に割った際、キックの巻きバネが弾けて跳ね上がったのですが、では組み立ての際は、それをどう収めるのか?

ここで注目するのが、矢印と赤円。矢印はキックのストッパーを引っ掛けるボルトで、今は緩めて引っ込めてあります。最後まで締め付けると、ボルトの先がケース内に突き出します。もう一つは赤円で示すケース窪みで、ここにはスターター・ギアに取り付けられたクリップの先(後述)が嵌るのです。


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↑キック・スターターの要!左の赤円で示すレバーは、回転させてプリテンションを掛けたキック軸を、先程説明したケース内に突き出すボルトに引っ掛ける部分です。右の楕円内は、スライドするギアに取り付けられたクリップの先端です。両者を指定の位置でクランクケース内に収める必要があります。


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↑このポジションでセットします。矢印で示すのが、スライドするギアに取り付けられたクリップの先端です。写真では見難いですが、最初に説明したケースの窪みに嵌っています。そして、スターター軸に直結したレバー部分は、楕円に示す位置に来るようセットします。


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↑スターターのリターン・スプリングは、その一端が矢印の窪みに嵌るようセットします。先程説明した2箇所と合わせ、計3つのポジションを合わせてセットするわけです。


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↑これがプリテンションを掛けるカラクリです。写真ではクランクケースは閉じられていませんが、これが閉じられていたと仮定し、キック・シャフトを時計反対に回すと、スプリングが圧縮されながら赤円内のレバーは矢印方向に回転します。レバーがボルト穴を通過した時点で、手に持ったボルトを締め込みます。するとシャフトを放してもレバーがボルト先端にぶつかって止まり、シャフト(キック)にプリテンションが掛かった状態になるのです。キックを踏めば更にバネは圧縮され、キックを放せば再びプリテンションの掛かった位置でストップすると言うわけ。


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↑シールを塗って本組みする前に一度蓋をして動作確認した方が安心です。トランスミッションはベアリングが真っ直ぐ無理なく嵌っていないと、回転が固い場合があります。ベアリングのアウター・レースには凸や穴があり、ケースの凸凹と合致するようになっていますから、しっかり合わせて馴染ませてから本組みに移ります。


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↑赤線部分にシリコン・シーラーを極薄く塗ります。図ではオイルシール部分(半円部分)にも赤線を引いてしまいましたが、それは不要です。あと、シフター・シャフトは後からでも入るので、(写真では組まれているが)今は通さなくても大丈夫です。


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↑これはヘインズのマニュアルにも記載されていましたが、12㎜ナットは段階締めで最終が19.5フットポンド。10㎜ナットは11フットポンドです。先ず12㎜ナットを内側のナットから対角線上に締め、その後10㎜を締めます(10㎜も一応締め付け順序があるようですが私は無視しました)。


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↑先に説明しましたが、ケースを合わせた後、キックシャフトを時計反対方向に回し、レバーが回転してボルト穴を通過したら(写真は通過する瞬間)、ボルトを挿して締め込みます。その後シャフトを開放すると、レバーはネジに当たってストップし、シャフトには適度のスプリング・テンションが掛かった状態になります。


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↑シフター・シャフトを通し、スプリングでカクカク動くアームをドラムのラチェットに引っ掛けます。特にネジ止めなどはありません。シフターのスプリング(二股状の)は、ケースから出ている植え込みボルトを挿むようにセットします(矢印A)。アームがどちらに傾いても、スプリングテンションが掛かっていれば正解。また、この辺はワッシャーが多いので(矢印B)、入れ忘れないよう。


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↑こいつも忘れずに・・・


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↑クラッチ・バスケットに棒を掛けるのは本来はタブーですが、この年式のマッハは丈夫な鉄製なので、メーカー推奨の方法となっているようです。確かKHなどはアルミだった気がするので、それは絶対にダメです。


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↑ここは、3つのネジを三角形の一体型アルミ・ワッシャー(パッキン)で賄っており、ロックタブも兼ねているのですが、度重なる分解でロックタブが何枚か折れています。緩み止めとしては不十分と判断し、ゴム系の接着剤(日本でのG17)を垂らして緩み止めとしました。タンクからのホースが入るバンジョーも緩み易い箇所ですが、これらのネジは締め過ぎ厳禁です。緩みを恐れて締め上げたりせず、規定トルクで締めた後に、緩み止めは別の方法(今回のような)で行います。

ちなみに、分解の際はボンド部分を尖ったキリなどで穿って剥がし、ネジを外した後は、シンナーに漬ければボンドは綺麗に剥がれます。


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↑0.5㎜オーバーの純正ピストンが3個買えたので、思い切って交換しました。頭部にBやCなどのスタンプがあるのですが、これは工作精度上の分類で、基本的にシリンダーと合わせます(新品ではシリンダーにもスタンプがある)。ですが、こんな古いバイクのパーツでは、スタンプのアルファベットまで選べません。それ以前に、シリンダーのスタンプなど既に消えてしまっているし、何処かの工場でボーリングされているわけですからね。と言うわけで、私は無視しました。


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↑クランクやピストンを交換した後、しばらく近場をテスト運転していましたが、エキゾーストの細く削られたスタッドが折れてしまいました。こんな事ならシリンダーを組む前に交換しておくべきだったと思いましたが、後悔先に立たず。まあ、空冷2ストはシリンダーを外すのが簡単ですから、新品ピストンの状態確認も兼ねて分解しましょう。写真は、折れた部分をリューターで平らに削ったところです。こうすれば、次のセンター出しが簡単になります。


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↑ポーンチ!最初が肝心です。


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↑スタッドは角度がついて入っていますので(シリンダーに対して直角でない)、良く確認しながらドリルします。可能な限り、対象パーツは車体から外して行うのが吉です。


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↑クラッチカバーの時は、シール類の焼損を懸念してヒートガンを用いましたが、今回はガストーチで強力に炙ります。


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↑スナッポンのエキストラクターが再度登場!今回も宜しゅうたのんまっせ~!


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↑これは手強い!力を入れる度に、「ギギギ・・・」と悲鳴の様な音を発します。折れそうだ・・・折れるのか?折れてしまうのかスナッポン?


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↑「スナッポンをナメんじゃねぇ!」・・・さすがです。今回もありがとうスナッポン!


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↑これは元のシリンダーに付いていた純正スタッドです。これらも炙ってダブルナットを掛けて外し(固くて滑るようなら、根元をバイスグリップで挿んで強引に回す)、新しいシリンダーに6本をスワップします。


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↑この銅製ヘッドガスケットですが、何度も脱着を繰り返すうちに、油が染み出すようになってしまいました(圧縮漏れには至りませんが)。本来、ヘッドガスケットに塗り物をするのはタブーなのですが、今回、試しに耐熱シリコンを薄く塗ってみました。空冷2ストのヘッドは5分もあれば脱着できるので、もしダメなら新品ガスケットに換えましょう。


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↑どうですかね?そもそも、何故ヘッドガスケットに塗り物は厳禁なのか?これは厳格な締め付けトルク管理がある上に、冷却水やオイルの箇所とは比べ物にならない高圧が掛かる為です。

ですが、2ストの場合は圧縮比が低めですし、ガスケットが馴染んだあとに再度トルク確認すれば大丈夫かもしれません。前述しましたが、もしダメでもヘッドを外してやり直すのは容易です。これが上手く行けば、2ストのヘッド分解作業においてガスケット代が大幅に節約できます(セコイw)。


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↑完了!これで排気関係は大丈夫ですね。今後は社外チャンバー装着を検討しよう。



いよいよ、マルホ・リベンジです!
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↑かつて、2度の焼き付きによってマルホ入りを断念しましたが、3度目の正直となるか?2度あることは3度ある?


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↑途中でマフラーの芯が抜けるトラブルがありましたが(笑)、エンジンはイオンなく全好調!やりました!悲願達成です!


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↑ロングビーチで毎月恒例のスワップミートにデビュー。常連のカワサキ・フリーク達にお披露目です。


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↑クランクを換えてから300マイル以上を走行しました。圧縮は組み込み当初の140psi以上(5回キック)をキープしており、ヘタリは見られません。クランクからの異音も無く、問題なく慣らしが完了したようです。


こうして、ようやく完成したマッハですが・・・

日本行きとなりました(笑)。決して金に釣られたわけではなく、掛かった部品代に毛が生えた程度の金額です。苦労した工賃は殆ど出ていません。以前のZ1も破格で日本のバイヤーに売ってしまいましたし、大損は百も承知なのですが、何かこう・・・カッコいいカワサキのバイクは私に馴染みませんね。好きなんですが、自分の物になった気がしないと言うか・・・

まあ、バイク弄りは私の趣味なので結果オーライですが、他人を儲けさせるのも癪にさわるので(笑)、今後は生涯乗り続けるバイクでなきゃレストアしない事にしました。

このマッハ、日本で幾らで売れたのかな~?(業者が幾らで売ったかは知らない)知らない方が幸せだなwww


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↑さらばマッハ!楽しい思い出をありがとう!



2018/04/14

カワサキ・マッハⅢ レストア記 その4

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↑外装に着手しました。板金作業は職場で行ったので写真は無し(笑)。仕事そっちのけで、こんな事やっててもクビにならないので在り難いですね。タンクは中古を買いましたが、これがボコボコで板金が大変でした。写真は2液プライマーまで吹いたところ。仮付けしてチェックします。


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↑キャンディー塗装を開始!当時のキャンディーは今のカスタムペイントのような派手さはなく、最近の重厚なメタリックと同等ですね。ちなみに、キャンディー塗装とはシルバーなどの淡色メタリックの上から半透明のクリアカラーを塗り、下地のメタリックを透かせる塗装方法です。名前の通り、表面に飴を塗ったような「甘そうな色」になります。

と言うわけで、先ずは下地のシルバー・メタリックを塗ります。カスタム・ペイントなら、ここでメタリックの粗いフレーク塗装にすると、キャンディーを塗った時の派手さが増しますが、今回はオリジナル塗装に近い普通のシルバー・メタリックをチョイス。


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↑キャンディー・グリーン(半透明)を途中まで吹いたところ。この塗装の難しいところは、重ね塗りの回数が限られている点です。例えば、普通のグリーンなら、どれだけ厚塗りしても一定以上に色が濃くなる事はありません。極端な話、缶の塗料をぶちまけても、缶の中身のグリーンと同じ色にしかなりません。キャンディーの場合、重ねる毎に透明度が失われ色が濃くなります。つまり均等にスプレーしないと、凄まじい色ムラが出来上がります。色ムラを直そうと重ねて塗ると、どんどん濃くなって最後は透明度ゼロの真っ黒になってしまいます。限られた重ね塗りで、ムラを出さずに決めなければならないのです。

また、途中でゴミが噛み込んだ場合、普通の色なら重ねて塗ればゴミが埋まって誤魔化せますが、キャンディーは透明な塗料なので、内部のゴミが透けて見えてしまいます。目立つゴミが入ったら、最初のシルバーからやり直しと言うわけ。鬼のような塗装なのです。


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↑完璧な防塵ブースでなければ、博打に近い作業です。最近、小バエが多いのですが、そんなのが付いたらアウトです。クローズドのスプレーブースでも難しいのに、かなり無謀な作業でした。小バエや猫の毛が付かないよう、神に祈りながらの作業。塗装後も、ペイントが硬化するまでは生きた心地がしませんでした。


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↑完璧とは言えませんが(私は自分に厳しいw)、何とか納得行くレベルに仕上がりました。でも未だ終わったわけではありません。


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↑1000番のドライ・ペーパーで表面を研ぎ、デカールを貼ります。これはレプリカのデカールで、レストアでは一般的な品(60ドルくらい)。下の台紙を剥がしたら、ウィンドウ・クリーナーを両方に吹き付けて(濡れた状態で)貼り付けます。手を良く洗って、埃やゴミが間に入らないように注意。


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↑タンクの形状にもよりますが、このような丸みのあるタンクに貼るのは難しいです。上の台紙は柔軟性がなく、アールが付かないので、水分が無くなって完全にくっつく前に剥がす必要があります(写真の状態)。この際、台紙とデカールの張り付きが強過ぎるので(メーカーにもよるが、この製品は剥がれ難かった)、白いラインがベローンと分離したりと冷や汗がでました。何とかパニックにならず、水分が飛ぶ前にしっかり密着させ、空気を抜きました。

写真では黒いライン部分に未だ皺がありますが、焦って貼ろうとすると折り目が付いて取り返しがつかない事態に陥ります。ヤバイと思ったら、直ぐにウィンドー・クリーナーを隙間にスプレーして糊付けをキャンセルし、仕切り直します。ドライヤーを使うのも一つの手段ですが、水気が飛ぶのが早くなる上、デカールが伸びてしまうので細心の注意が必要です。


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↑デカール貼り完了!この年式のタンク・デカールは、オリジナルも妙な角度で貼ってあるので位置合せが難しいです。テール・カウルもそうですが、プレスのラインとは上下が合っていないのですよね。デカールが唯我独尊してるのです。また、このH1F(1975年式)は、デカールの先端が尖っているのですが、その場合ブラウンとブルーに限られるようです。グリーンの場合、先端が丸いタイプのデカールが正しいのですが(レストア開始前のタンクを参照)、私はあの先が丸いデカールが嫌いなので、敢えて尖ったタイプにしました。

どうせオリジナル塗装ではないので、その程度の自由度はあった方が良いです。最初はライムグリーンにブラック&ホワイトのストライプが入った、KH400カラーに塗ろうと考えていたのです。ですが「とりあえずはマッハに準じた塗装にしよう」と言う事で考え直しました。この色に飽きたら、KH400カラーにしたいですね。


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↑最終塗装です。デカールの上からクリアー(キャンディでない普通の色無し)を吹きます。デカールを貼る前に研いだのは、この為です。


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↑コンパウンドでポリッシュします。艶々です!


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↑試運転を開始しましたが、クラッチがあまりにも重く(マッハのクラッチが激重なのは有名だが、それにしても重い)、また、切れが異常に悪く、始動直後に1速に入れるとエンストします(クラッチを切っていても)。これは明らかに異常です。

この原因には心当たりがありました。クラッチを組んだ時に、プレート間のエキスパンダーが足りなかったのですよね。「大丈夫だろう」などと楽観して組んだのですが、やはりダメだったか。


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↑これです。本来これが7個あり、フリクション・プレートとプレッシャー・プレート間に一個づつ入っているのですが、何故か3つしか入ってませんでした。


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↑足りない分を速攻で入手!純正なので結構高かったです。でもまあ、仕方ありません。


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↑このように、フィリクション・プレートとプレッシャー・プレートの間に入り、両者を引き剥がす役割をします。つまり、クラッチを切る方向に作用するのです。これが少なかったため、クラッチが異常に重く、切れが悪かったのです。


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↑ついでにフィリクション・プレートも交換しました。奥の乾いたのが純正新品、手前の濡れたのが元々付いてたプレートで、溝が少なく、見るからに切れが悪そうです。念の為、これも交換した方が良いでしょう。


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↑切れが良くなりました!左はクラッチを繋いだ状態、右が切った状態で、特に外側のプレートが見た目にも離れているのが分かります。以前は、一番外側のアルミのプレートしか動かなかったのです。クラッチの重さも少し軽減されました(それでも重いがw)。


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↑オイルラインに不具合が発生!下が元々付いていたパイプで、左側のエポキシが塗られた部分にピンホールが開いており、焼きゴテで潰してあったのです(気付かなかった)。そこからジワジワとオイルが漏れ出し、とりあえずエポキシを塗って塞ぎましたが、心配なので中古良品に交換です。上がその品ですが、太さが違うんですよね。長さは同じで、ピッタリとフィットします。年式による仕様の違いかな?

カワサキのトリプルは、オイルポンプから一番遠い左シリンダーへのオイル供給が弱点なので、太いパイプの方が良い気がしますけどね。ともかく、これでオイル漏れの心配は無くなりました。2ストのオイル切れは致命的です。


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↑再メッキパーツが日本から到着!再メッキくらい、こちらでやればと思うでしょうが、カリフォルニアでは環境問題から小規模のメッキ屋さんが少なくなってしまったのです。なので日本に帰国した友人に頼んで、日本の業者に任せました。出来栄えは・・・イマイチ?写り込みがボケてますよね。まあいいけど。ちなみに、右の長四角の部品はスズキGT750のです。


↓デキターーーーー!!
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↑やっぱ500SSはカッコイイな!日本ではマッハと言えば初期型が人気だそうですが、私はフレームが改良されたD型からが好みです。B型も渡米直後に乗っていましたが、60年代のデザインがあまりにも古くて私の世代的にシックリ来ませんでしたね。私の世代なら、これより後のZ400FXやCBX400なのですが、当時は新車でとても買えず、先輩からお下がりのKHやホークⅡがシックリ来るのです。

そんなわけで、この年式の500SSは(入手可能なバイクと言う意味で)憧れだったのです。現実には、先輩お下がりのZ400(2気筒)が愛車でしたけどね。高校時代に無免許で乗り回した挙句、河川敷に落っことして廃車になりましたwww


↓ビフォー・アフター
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↑頑張ったな俺www


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↑先ずは近場の海に試運転です。


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↑エンジンはビンビンに絶好調!


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↑プラグもくすぶる事無く良好な焼け具合です。


しかし・・・好事魔多し!これが束の間の幸せであったなんて、この時の私には想像もできませんでした。
次回につづく(笑)




2018/04/13

カワサキ・マッハⅢ レストア記 その3

パーツ購入

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↑タンク・キャップやフラッシャー、スロットル・グリップなどはリプロ。リアショックもリプロですが、アルミの取り付け基部はオリジナルを磨いてスワップしました(写真は施工前)。CDIユニットや燃料コックは中古良品。何だかんだで、結構な出費となりました。


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↑これらはイーベイで買った中古ですが、落札後にもっと程度の良い品が出て、結局それも落札したりと無駄銭を使ってしまいました。まあ、こればっかりは運なので仕方ありませんね。


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↑このヘインズのマニュアルは失敗でした。オリジナル(違法コピー品でない)なので50ドルも払いましたが、締め付けトルクなどの基本データが記載されていないなど、イライラしました。結局、不明なデータはネットで落としました。このメーカーのマニュアルは駄目ですね。


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↑奮発して前後リムも新品に!


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↑信頼のDID製で、前後で280ドルくらいでした。それにしても、タンクやシート、フロント&リアショック、フェンダーに、前後リム&スポークと、殆どのパーツを交換していますね。元のパーツはフレームとエンジンくらい?

・・・この後、更に出費が嵩むとは。


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↑リムとスポーク、タイヤを交換します。写真の中で再利用するのはハブだけです。


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↑スポーク組み付け・・・の前にハブは綺麗に掃除してポリッシュしました。スポークを外した今しか磨けない部分がありますからね。スポークは一組で2種類あるのが一般的で、ハブの外側と内側で形状が異なります。最初に振り分けた方が間違いありません。


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↑ほら!こんなに早く正確に組めました!

・・・間違ってますね。全部やり直しですorz


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↑これが正解。さっきのよりスポークが寝ているでしょ。ああ疲れた・・・


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↑スポーク組みは簡単ですが、アライメントを出すのは一苦労です。上下、左右の振れを2㎜以内に収めなくてはいけません。その方法は、先ず上下(縦方向)の振れを、対向するスポークを締めたり緩めたりして調節します。つまり飛び出ている方のスポークを張り、反対のスポークを緩める事で、飛び出した部分が引っ込みます。それが終わったら左右の振れで、例えば右に寄っている場合は、右側のスポークを緩め、左のスポークを張る事で収めます。最後に全体を均等に増し締めして終わり。

時間さえ掛ければ何時かは終わりますが、あまり頻繁に締め&緩めを繰り替えすと、ニップルが傷だらけになって見栄えが悪くなるので、必要最低限で決めたいですね。勘で先走らず、良く考えながら行うのがコツです。


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↑組み立て開始!


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↑全てのパーツを脱脂&塗装し、ボルトやナットも錆び取り&防錆処理、それに新品パーツを組んで行きます。ベアリング類のチェックや、グリースアップも同時に行います。一連の作業の中で、一番楽しい時ですね。


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↑旭日旗が似合う(笑)。フェンダー無しの姿がカッコイイ。そして大きく張り出した輸出仕様のフラッシャー。グースのZ1000を思い出すよ。


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↑蘇ってゆく・・・


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↑ミ●キーの巣となっていたボロ・マッハが、徐々にピカピカに・・・感無量です。デズニー氏ね。


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↑結局、元のシリンダーはガバガバのサビサビだったので使用せず。中古良品をイーベイでゲットしました。これも0.5㎜オーバーですが、緩くはなっていません。フィン欠けや曲がりもなし。唯一、エキゾーストのスタッド・ボルトが、12㎜(M8)から10㎜(M6)に削ってあり、ネジが切り直されていました。ちょっと細過ぎて不安でしたが、まあ大丈夫でしょう。

・・・結果的に大丈夫じゃありませんでした(笑)。読みが甘いよな俺・・・


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↑うっすらと錆が出ていたので、軽くストーニングしました。WD40をたっぷり吹いて、上下に素早く数回ストロークさせます。すると油のりを良くするクロスハッチ・パターン(傷)が、ボア表面に付きます。


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↑磨耗し切っていた古いリングは勿論破棄。新品のリングでギャップを見ると・・・丁度良いですね。先にストーニングを行いましたが、予めギャップを確認した方が良いです。


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↑新品のヘッド・ガスケット(銅)はトーチで焼き鈍しを行ってから取り付けます。縦横の向きがあるので注意。予め、写真のようにネジに通して確認した方が良いです。ヘッドボルトのトルクは17.5フット・ポンドと弱目です。締め過ぎに注意!


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↑ケース類をポリッシュします。先ずは320番の紙やすりで、大きな傷(人差し指の先にあるような)を削り落とします。


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↑これはダブル・アクションなどと呼ばれる振動式のサンダーです。間違ってもグラインダーで削らないようにw


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↑傷の部分だけ削ると表面が凸凹になるので、全体を削る必要があります。言うまでも無く、これには限界があります。傷の深さが1㎜もあるような場合は、諦めた方が良いかも。強度を必要としない部分なら、根性で削り込むのもアリかもしれませんが。


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↑続いて500番~1000番と徐々に細かいペーパーにして、傷を小さくして行きます。


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↑台にビス留めして、粗めのコンパウンドでひたすらポリッシュ!これも、徐々に細目のコンパウンドに移行します。


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↑細かい部分はドレメルを使います。機械を使っても、なかなか根気が要る作業です。


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↑こだわる人ならもっと磨き込むのでしょうが、スボラな私はこれでOKです。そんなモンだいたいでいーんだよ。だいたいで・・・


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↑小ワザです(笑)。これはタコメーターのケーブルですが、このように外部にスプリングが巻かれたワイヤーで、それが錆びている場合、私はこのように補修します。スプリングを思い切り縮めて寄せて、そこにマスキング・テープをピッタリと巻きます。同じく、反対方向にもスプリングを縮めてマスキングを行い、写真の状態にしてエナメル塗装します。まあ付け焼刃的な処置ですが、お金を掛けずにパッと見を綺麗にする効果はあります。貧乏レストア・テクですが、金掛けりゃイイってモンじゃねーよ。

でも、このケーブルはリプロが十数ドルであるんですね・・・買いましょうw


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↑新車の組み立てみたいだ!(ご満悦)


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↑曲がっていたフォークは一切使わず、中古良品を丸ごと購入しました。中古なので、内部の掃除とシール交換を行います。


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↑スナップリングを外せば、キャップがスポーンと抜けるはずなのですが・・・動きはすれど、全く手前に抜けないので往生しました。何で??


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↑悪戦苦闘の末やっと取れた!何の事はない、錆び付いた上にゴムのOリングが溝にガッチリと噛んでいたので、なかなか抜けなかっただけでした。WD40を吹きまくって、ショックを縮めてスプリング・テンションを掛け、上からプラハンマーでコンコン叩いたら飛び出しました。理由が分かってしまえば簡単ですが、不明だと無茶はできないので(壊したら仕事が増える)悩むのですよ。


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↑バイクによりますが、コイツのシールはかなり頑丈で簡単には外れません。小さなタガネでシールのゴムを剥がし、内部の鉄を剥き出しにします。こうする事で次の作業がやり易くなります。


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↑バールのようなもので抉ります。この際、支点にダンボールやボロ布などを被せ、アルミにダメージが無いようにします。また、一箇所で抜けない場合は多方向から攻めます。アルミは結構脆いので、力の掛け過ぎに注意。


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↑新品は2重構造です。これの叩き込みもキツかったですね。シールを壊さないよう、径が合った塩ビ管を当てて叩きます。


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↑前周り完成!


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↑空冷トリプルはカッコイイな・・・特にH1(500SS)の場合、フィンが丸っこいので好きですね。KH400はヘッドの端が角型フィンになるので、イマイチ好きになれません。S1やS2は小じんまりし過ぎだし、H2はデカ過ぎる。やはりH1が一番カッコイイ!異論は認める。まあ、好き好きですね。


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↑小さなボルト&ナットはオリジナルに拘るか迷ったのですが、既成の新品を使う事にしました。この方が気持ちよく組み立てられますからね。一部ステンレス製を使いました。漫画のジャジャではステンレスねじはダメ出しされていましたが、クソ喰らえです(笑)。


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↑スイッチ類は全て分解掃除、マスターシリンダーはOH、そしてエンジン・エナメル(耐油性がある)で塗装。ブレーキ・フルードのキャップに貼ったデカールはリプロ。助かりますね~


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↑ブレーキ・キャリパーもオーバーホールしました。外側を覆うダスト・ブーツを写真に入れ忘れましたが、交換の要は左のシール(黒いゴム輪)です。但し、ピストンの側面に腐食による凹みがあると、シールの交換では漏れが止まりません。ピストンは未だ新品が入手できますが、それを含むフルキットだと100ドル近くします。写真のピストンも若干の錆があり、「どうかな~?」って感じですが、しみったれの私は例によって華麗にスルー


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↑憧れの純正パーツ!これはスピードメーター・ギアのシールです。古いのは、シールの一部が切れてグリースが垂れていたので交換。


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↑ガソリンを通したのですが、キャブがオーバーフロー気味です。一応、分解掃除は行いましたが、ニードルバルブが寿命なのでしょう。キットはイーベイで買ったのですが、届いたのは懐かしいスドコ・プロダクツでした。私が渡米した頃、未だインターネットが無かったので、ここにはお世話になりました。


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↑こんだけ段つき磨耗した(矢印)バルブを、未だ使おうとした私は相当なケチです。ダメだと言う事が分かったので、素直に交換しましょう。


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↑ガスケットも割れました。カチカチに硬化して、折れていなくてもパッキンの役割は果たさないでしょう。


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↑男気があるように見えて実はしみったれの私は、キットにガスケットが含まれるのに、敢えてそれを使わず(キープして)、自作ガスケットで行きます。穴を先に開け、内側からくり貫くのがコツです。こうすると作業中に皺になり難いです。


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↑感動の火入れ式です(笑)。エンジンはいおんなく絶好調。細かいセッティングは後々行いましょう。


次回はペイント作業に入ります。
つづく